企業家の移民ラッシュは経済環境に痛手 (3)
中国国内をながめると、貯蓄率は50%を超えるが、資金のかなりの部分が公共部門と企業と人口の10%にあたる高所得層の手に握られている。国内では大規模な投資による国内総生産(GDP)の引き上げが真剣に行われており、資金は確実に国内での建設に投入されている。だがそこから発生したインフレのマイナス作用が、結果として国民の懐を寂しくしている。「内需の拡大」が何度も叫ばれようと、短期間で効果を上げることは難しいのだ。内需の不足は、中国がより強く大きくなるのを制約するボトルネックになっているといえる。こうした背景の下で、高い購買力のある富裕層が海外に移民すれば、弱り気味の内需にとってはますます困った事態となる。
ある評論家によると、中国はすでに名実ともに(かつて豊富な人材を輩出した士官養成学校「黄埔軍官学校」のような)「富裕層の黄埔軍官学校」となっており、世界各地に高い購買力を備えた富裕層資源を大量に送り出している。海外に出た富裕層達は飛躍的に発展する中国の豊かな土壌で成長した人々であり、中国の養分を吸って、海外で実を結ぶ。国内の冨がこうやって外に流れていく現実をみると、痛む心を抑えられない。歩く道は自由に選ぶことができるし、富裕層には移民する権利がある。富裕層を非難するよりは、国内の環境をしっかりと見据えた方がよい。富裕層を国内に引き留めたいと願うなら、その身を引き留めるだけでなく心も引き留めることが必要だ。(編集KS)
*ショウ:「にんべん」に「肖」
「人民網日本語版」2012年11月22日