企業家の移民ラッシュは経済環境に痛手
高級レストランチェーンの「ショウ江南」が再び注目を集めており、張蘭董事長(会長)が戸籍を取り消したとか、国籍を変えたとかいった情報があちこちで取りざたされている。「新京報」が伝えた。
実際、張董事長の国籍変更は個人的な出来事ではない。企業家の移民をめぐるニュースが、このところ注目を集めているのだ。
1949年以降、移民ラッシュは2回あった。1980年代初頭の海外留学による移民ラッシュと90年代に始まった技術者の移民ラッシュだ。ここ数年は移民する層に変化が訪れており、新たに生まれた富裕層が代表格だ。移民の手段としては、投資を通じての移民が中心で、第3次移民ラッシュとみなされている。中国の富裕層の70%以上が移民をしたか、移民を検討しており、中国は今や世界最大の移民排出国だ。
富裕層が移民する理由はさまざまだが、大きく2つにまとめることができる。自分自身のため、そして外部環境のため、の2点だ。自分自身のためとは、子どもの教育のため、資産の安全をはかるため、老後の準備をするため、などだ。外部環境のためとは、一部の人が分析するように、未来を信じられず、現状に不満があるために移民を考えるということだ。まとめれば、中国国内にいると「安心感が得られない、幸せを感じられない」ということになる。