安倍新政権 明確な経済政策、曖昧なエネルギー・外交政策 (2)
安倍氏は12月23日に、日銀に対して物価目標の引き上げを再び求め、その要求を満たさなかった場合「日銀法を改正し、日銀に対して雇用増の責任を負わせるだろう」と迫った。政治的手段により日銀の独立性に干渉することを示す発言は、日銀にとって過去最大級の脅威といえる。安倍氏は25日、連立政権を組む公明党と物価目標を設定することで一致した。経団連との会合中、安倍氏は態度を再表明し、「首相に就任したら、日銀に対して金融政策の具体的措置を決定させる。日銀が、大胆な金融緩和策等を実行することに期待する」と語った。
大胆な手段により経済振興という主要目標を実現するため、安倍氏は内閣人事で知恵を絞った。麻生太郎元首相は副総理・財務・金融相に就任し、財政・経済の大きな権力を握り、内閣の経済主管となった。中国社会科学院日本研究所日本問題専門家の厖中鵬氏は、「麻生氏は日本の政治家・企業家の家庭に生まれ、かつて経済財政担当相に就任した経験を持つ、経済のエキスパートだ」と指摘した。安倍氏はデフレ脱却の決意を固め、麻生氏に財政金融業務を担当させたが、これは麻生氏が強力なバックと幅広い人脈により、金融緩和を実施できると考えたためだ。麻生氏は政界の元老であり、日銀の穏健派を説得し、金融緩和を実行に移すことが容易だ。安倍内閣の経済関連の大臣には、他にも経済産業相に就任した経験を持つ甘利明氏がいる。甘利氏は今回、経済再生担当相に就任した。厖氏は、「経済再生本部は、安倍氏が総裁就任後に自民党に設置した特別部門の一つである。内閣が経済再生担当相というポストを設置したことからも、安倍氏が経済復興を重視していることが伺える」と分析した。
◆曖昧なエネルギー・外交政策