米議会、釣魚島を安保範囲に 人民日報「中国内政への干渉」
米議会上院は21日、国防予算の大枠を定める2013会計年度(2012年10月-2013年9月)国防権限法案を可決した。すでに20日に下院も通過していることから、オバマ大統領の署名を経て成立する。人民日報が報じた。
上下両院が可決した法案には、釣魚島(日本名・尖閣諸島)問題と台湾への武器売却問題に関する条項が盛り込まれた。
釣魚島問題については、「最終的な主権について米国は立場を取らない」としながらも、「日本の施政権が及ぶという米国の認識が第三国による一方的な行動で変更されることはない」とし、釣魚島が日米安保条約5条の適用範囲であることを明記した。
台湾への武器売却については、F-16C/D戦闘機またはそれと同性能の戦闘機を売却することで、台湾の自衛力を十分に確保することを米大統領に求めた。
同法案には、法的拘束力のある条項と、議会としての意思表示をする「決議」に近い意味を持つ条項の2種類があるが、上述の2条項はいずれも「決議的条項」で法的拘束力を持たない。
しかしこの事態は中国の主権と内政に対する乱暴で悪質な干渉に当たる。釣魚島は太古から中国固有の領土で、中国が領有権を持つことに争う余地はない。日米安保条約は冷戦時期の産物で、二国間の範疇(はんちゅう)を超えることはできず、第三国の利益を損なうなどもってのほかだ。同法案は釣魚島問題の解決にはつながらず、北東アジア地域の平和・安定の大局に資するものでもない。実際に、日本メディアはすでに関連条項を利用して意図的な情報操作を行っており、どさくさに紛れて米国を味方に付けようとしている。中国側は早くから米国に対し、言動を一致させ、同地域の平和・安定に配慮することを繰り返し求めていた。
台湾への武器売却に関する条項に至っては、中国の内政に対するあからさまな干渉だ。米議会の一部勢力は、中米間の3つの共同コミュニケ、とりわけ米国の対台湾武器売却に関する「8・17コミュニケ」の原則を顧みず、中国の大陸部・台湾関係の平和発展を支持するという承諾を全く無視し、武器売却問題で米政府が火遊びを行うよう仕向けている。米政府にはさらに、「中国大陸部に対抗するほどの巨額の軍事費が台湾になくとも、非対称性脅威に対する防衛力を少なくとも強化し、中国解放軍が台湾を攻撃した際のリスクを高めるべきだ」と吹聴(ふいちょう)する勢力が強まっている。
中米関係は今まさに新たな歴史的スタートラインに立っている。健全で持続的・安定的な中米関係をさらに推進することは両国の利益に合致し、両国国民の共通の願いでもある。米国は、中日両国の領土問題では矛盾した誤ったシグナルを発することをやめ、中国の内政問題では中米間の3つの共同コミュニケの原則を厳守するべきだ。(編集YT)
「人民網日本語版」2012年12月23日