中国太陽電池最大手が破産 欧米との貿易摩擦が影響
中国の太陽光パネルメーカー大手である無錫尚徳太陽能電力有限公司(サンテックパワー)に資金を貸し出す銀行グループは共同で、無錫市中級人民裁判所に対して、同社の破産・再編手続きの申し立てを行った。同裁判所は負債者側が満期の債務を返済できないと判断し、「破産法」の関連規定に基づき、3月20日に同社の破産・再編手続きを決定した。人民日報が伝えた。
欧米諸国の中国製太陽電池に対する反ダンピング・反補助金課税により、中国国内で産業能力が著しく余剰するといった影響を受け、中国太陽電池業界は深刻な打撃を受け低迷に陥った。サンテックパワーは近年、コスト増・余剰生産能力・負債率上昇といった問題を受け、生産・経営・財務の状況が悪化を続け、巨額の赤字を計上した。同社は満期になった大量の債務を効果的に償還できず、支払不能の苦境に立たされた。
中国工商銀行、中国農業銀行、中国銀行などを含む、サンテックパワーに資金を貸し出す9行の2月末時点の与信枠は、計71億元(約1065億円)に達した。銀行側は、「返済が滞る債務が満期を迎えようとしている。負債者側の現状、および満期の与信枠に対する実行性を伴う返済プランが立てられていないことから、債権者の合法的な権益を最大限保護し、社会の安定を維持するため、市場化の原則に基づき措置を講じ、同社の破産・再編手続きを行う必要があった。同社は今回、市場化に基づき破産・再編手続きを行い、効果的に資源を統合し、余剰生産能力を整理する。これは今後の業界全体の健全な発展に向けて、積極的な推進力をもたらすだろう」と表明した。
銀行グループからの申請を受け、無錫市中級人民裁判所は審査を行い、翌日サンテックパワーに通知書を送った。情報によると、銀行グループが破産・再編手続きを申し立てたことについて、同社からの異議はないとされている。同裁判所はこれを受け、3月20日に同社の破産・再編を正式に認定した。(編集YF)
「人民網日本語版」2013年3月21日