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中国の個人貯蓄が5年で倍増 3つの問題点 (2)

 これはある側面から現在の中国が起業をめぐって直面する問題や苦境を反映している。環境の創出や改善を通じて、人々の起業への熱意を改めてかき立てるにはどうすればよいか、これはすぐにも解決しなければならない難しい問題だ。

 高い貯蓄率が反映するもう一つの問題は、投資ルートが極めて少ないこと、投資商品が不足していることだ。ここ数年の情況を振り返ると、銀行や保険会社なども投資商品を積極的に開発しているが、個人の主な投資先は今もなお建売住宅だ。

 建売住宅への投資は、価格の急上昇を背景として、個人の投資行為、投資能力、投資先を基本的に決定づける。圧倒的多数の個人は不動産を買う買わないにかかわらず、ほかの投資のことを考える余裕はなく、注意力のすべてを不動産に傾注する。おまけにほかの投資商品はリスクが極めて大きく、収益状況が不動産価格上昇で生じた損失を根本的に補填しないとなれば、貯蓄率が高くなるのは避けられないことだ。

 当然のことだが、社会保障制度の深刻な後れも個人の消費エネルギーを引き下げ、消費への期待をしぼませる主な要因の一つだ。考えてみれば、将来の自分と密接な関わりがある問題を見通せず、希望がみえないときに、消費エネルギーなど問題にならず、消費エネルギーが盛り上がるはずがない。

 金融危機が発生して以来、国は消費を喚起するために一連の政策をうち出してきた。家電の農村における普及政策(家電下郷)、自動車消費や観光旅行の促進政策などだ。政策がうち出されたばかりの頃は効果を上げるが、どの政策も持続的に効果を上げることはできない。これは当然のことながら政策自体に何か問題があるからではなく、消費の環境が整わないからであり、個人消費を制約する要因が取り除かれていないからだ。病気で病院にかかるときのことを考えると、中国の医療制度が先進国と同じように、保険で保障される部分と保障されない部分の2階建てになれば、人々は安

 心して病院に行けるようになり、貯金して病気による困窮に備えなくても済む。基本的な保障条件が整えば、安心して大胆に起業することができ、「他人」が雇用機会を与えてくれるのを待たなくてよくなる。たとえ起業に失敗しても、生活の保障が失われることはなくなる。

 こうしたわけで、高い貯蓄率は真剣に研究し考察に値する経済社会の重要な問題だといえる。高い貯蓄率に反映される経済社会発展の深層レベルの問題は、その多くが中国経済の「次の時期」の訪れに直接影響し、中国経済の新たな周期の安定的・健全な発展に影響するものであり、ぜひとも解決しなければならない。(編集KS)

 「人民網日本語版」2013年9月25日

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