玄宗皇帝と楊貴妃のロマンスの舞台、華清池は、長恨歌にもその名があり、楊貴妃の湯浴みの場面の舞台としても有名です。
西安の東、驪山のふもとにある華清池は、3千年前から歴代の皇帝が訪れる温泉地でした。それを玄宗皇帝が大幅な増築をして冬を過ごす離宮「華清宮」を造り、温泉も「華清池」と名づけました。
高校時代に漢文で習った長恨歌は、多感な時期の女子高生にとっては大変刺激的でロマンチックな憧れを抱いたものです。
大学生になって初めて華清池を訪れたときは、楊貴妃のお風呂はまだ発掘途中で、雨ざらしで泥水が溜まった壊れた湯船が少し確認できるだけで、周囲も整備されておらず、雨の中、泥水の水溜りを避けながら歩いたものですが、それでも、「在天願作比翼鳥、在地願爲連理枝(天にありては願わくは比翼の鳥となり、地にありては願わくは連理の枝とならん)」の一節を思い浮かべながら、ロマンチックな想像に浸ったものです。