第15回アジア安全保障会議(シャングリラ・ダイアローグ)が3~5日、シンガポールで開かれた。各国の防衛当局と軍の指導者、専門家、学者ら約600人が地域の安全保障情勢および安全保障上の重大な共通関心事について率直な見解を述べた。中米関係、特に中米の両軍関係が大会の注目を集めた。(文:張軍社・海軍軍事学術研究所研究員。人民日報海外版コラム「望海楼」掲載)
カーター米国防長官は4日の会議で基調演説を行なった際、「アジア太平洋地域の各国が協力を強化する中、中国は『自らを孤立させる長城』を築いている」と主張した。カーター長官のこの言い分は、明らかにアジア太平洋地域の基本的事実を無視したものであり、冷戦思考を想起させた。米軍において大統領に次ぐ実際の指導者であるカーター長官のこうした思考が、中米両軍関係発展の助けにならないのは明らかだ。
健全で安定した両軍関係は中米両国関係の発展にとって重要な影響がある。中米両国が新型の大国関係を構築するには、それに見合った新型の両軍関係を発展させる必要がある。2013年のサニーランズ中米首脳会談後の3年間、中米両軍関係は全体として良好な発展基調を呈してきた。
両軍は重大な軍事行動の相互通告制度の構築、海上衝突回避規範の策定において重大な進展を遂げ、相互信頼メカニズムの構築において歴史的一歩を踏み出した。実務交流・協力は比較的順調に進展。特にハイレベル交流、制度化された対話と協議、佐官級軍人交流、合同演習・訓練などの面で新たな進展を遂げ続けた。とりわけ2014年の米海軍主導の多国間合同軍事演習「リムパック」への中国軍の初参加は、両軍交流の歴史に重大な突破口を開くものだった。中国海軍は今年も艦船5隻がリムパックに参加し、演習内容もいくらか増える。