日本で2011年3月11日に発生した東日本大震災からまもなく6年を迎える今、東京電力福島第一原子力発電所の放射能漏れ事故が再びニュースになり注目を集めており、外部では懸念を引き起こしている。最新の報道によると、新華社の記者がこのほど原発構内で取材したところ、線量計の数値が瞬く間に毎時200マイクロシーベルトになり、東京の一部地域の放射線量の4千倍から5千倍にもなることがわかったという。「国際商報」が伝えた。
▽影響は長く続く
中国現代国際関係研究院日本研究所の劉雲研究員は、「福島原発が広く注目を集めるのは当然のことだ。現在の報道の様子からみて、三重の防衛ラインは最後の壁を残すのみとなり、調査のため原子炉格納容器内に投入したサソリ型ロボットは放射線量が高すぎて動けなくなり、回収もできなかった。状況が非常に厳しいことがわかる」と話す。
劉研究員の指摘によると、地理的にみて、福島県は日本の真ん中より北側にあり、大農業エリアの北海道から近く、このため北海道の農産品は一定の影響を受けているものと判断できる。現在、多くの国が北海道の農産品の輸入を禁止している。「影響を受けるのは農業だけではなく、日本のインフラの安全性という問題もある。この2点だけでも日本の経済的利益のかなり大きな部分に影響を与えるし、放射能の環境に対する長期的な影響は言うまでもない。これも日本政府が放射能漏れの真相を外部から覆い隠す根本的な原因の一つだ」という。
福島原発事故が起きると、米国やドイツなどは日本が新たに原発を建設することに反対を表明し、日本の東南アジアへの原発輸出は断念せざるを得なくなった。劉研究員は、「原発を大規模に建設してしまってから、管理水準が追いつかないなどということになると、起こりうる損害はコントロール不可能だ。また建設する場所が合理的でない場合、たとえば水が不足する場所だったり、地震帯の上に原発を建設したりすれば、重大な地質災害や気象災害が起きた際には、放射能が漏れて半永久的な破壊をもたらすことになる」と指摘する。
このウェブサイトの著作権は人民日報社にあります。
掲載された記事、写真の無断転載を禁じます。
Tel:日本(03)3449-8257
Mail:japan@people.cn