大調査による発見9:一般市民の消費がグレードアップ、最も購買意欲が高いのは2年連続で「旅行」
国家統計局の統計によると、16年、中国の社会消費品の小売総額は前年比10.4%増で、消費支出の経済成長に対する寄与率は64.6%だった。
旅行や保険、自動車や家電などのうち、最も勢いのあるのはどの業界なのだろう?どの業界が今後も伸びる可能性があるのだろう?大調査では統計を通して消費者の行為に迫り、市場の今後の動向などを予測している。中国の一般市民の「爆買い」の背後で、消費意欲やブランド志向などにどのような深刻な変化が生じているのだろう?供給側の構造改革は何を啓示しているのだろう?
大調査の統計によると、回答者が17年に購入を予定している3大商品は、旅行(45.52%)、パソコンなどのデジタル商品(42.33%)、家電(40.42%)だった。これは、中国の供給側の構造改革が主に影響を与えている分野と一致する。
これまでの大調査の統計を比べてみると、旅行、家電、デジタル商品、健康食品は3年連続で回答者の購入意欲が上昇していた。うち、「旅行」は3年連続でトップだった。つまり、所得水準が向上しているのを背景に、一般市民は生活の質にもこだわるようになり、一般市民の生活のあらゆる面で消費のグレードアップが反映されている。
大調査では、「消費者は商品の何を見て購入を決めるか」という興味深い質問も用意。回答者が最も重視しているのは、品質・耐久性で71%。以下、安全性・信頼性(53.7%)、品質・質感(31.8%)と続いた。「有名人がCMに出ているか」は、最下位だった。これら消費者の生の声の統計は、供給側が構造改革をする際、方向性を正しく設定するのに役立つ。
大調査による発見10:「小康社会の建設」に中国の一般市民が自信
16年、中国経済は安定し、良い方向へと向かい、経済の成長スピードは世界一の6.7%だった。一般市民にとっては今後1年間の所得の面で、明るい希望となり、大調査の中ではそれが直観的に反映されている。
大調査の統計では、回答者の55%以上が17年の所得は「向上する」と予測しており、過去10年の統計と比べて見ると、やや高い位置となっている。特筆すべきは、14年以降、所得が大きく向上すると予測する回答者の割合が右肩上がりとなっていることだ。17年の世帯所得が「20%以上向上する」と予測した回答者の割合は13.52%で、ここ5年で最多だった。「横ばい」と予想した回答者の割合も上昇している。
省ごとに見ると、17年の所得が向上すると最も強い確信を抱いていた省トップ10は、青海(67.77%)、西蔵(チベット、64.89%)、海南(64.86%)、吉林(64.34%)、寧夏(64.00%)、安徽(62.79%)、山東(61.79%)、陝西(60.38%)、貴州(59.80%)、重慶(59.41%)。この10省・自治区のほとんどは、貧困者支援の取り組みが展開される重点県が最も多い省・自治区だ。つまり、中国の民生を改善し、的を絞って貧困者支援を行う政策が少しずつ実行され、その成果が見え始めているということだ。貧しい地域や貧しい世帯は所得が必ず向上するという確信を大きくしている。
ではどのような人が最も強い確信を抱いているのだろう?大調査の統計によると、所得が20%以上向上すると予測した人の割合が最も高かったのは、90後(1990年代生まれ)の若者と60歳以上の高齢者で、それぞれ16.06%と13.37%だった。また、年間所得が1万元以下の低所得世帯の確信も強く、20%以上向上するとの予測の割合が17%を超えた。起業の意向を示す回答者を見ると、所得が20%以上向上するとの回答が30.03%に達し、その意向がないとする回答者(11.73%)の約3倍だった。
大調査ではさらに、13年以降、農村住民の所得が向上するとの確信は、都市の住民よりも強くなっている。今回の大調査では、農村の回答者のうち55.01%が「17年の所得は向上する」と予測し、その割合は都市部の53.44%を上回った。つまり、農民をサポートする優待政策が近年、着実に実行され、都市部と農村部の所得の差も縮まり続けているため、農民の確信が強まっていることを示している。(編集KN)
「人民網日本語版」2017年3月10日
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