しかし、実際に説得力ある商品がない状態では、それらはメーカー同士の単なる駆け引きにすぎない。熾烈な競争が繰り広げられる中国の市場で成功を目指すならば、さまざまな要素を考慮しなければならない。外資系のブランドにとって、中国市場における販売ルートが大きな足かせとなる。中国市場でどのようにそのルートを開拓するかに関して、メディアを見る限り、シャープから明確な戦略は見えてこない。
羅CEOは、メディアに対して、「シャープのスマートフォンのターゲットはミドル・ハイエンドのグループ。全ての部分における意思決定者は全て中国人で、シャープはイノベーションにおいて、一層ローカライズな方法で物事を進めることができ、サプライチェーンも富士康の生産能力のサポートを得ることができる」としている。
特筆すべき点は、シャープのスマートフォンの中国再参入の背後に、ノキアの再参入と同じく、富士康の影があることだ。
EMS以外に、富士康は事業拡大を試みており、スマートフォンもその分野の一つだ。
現在、富士康のスマートフォン業務には、EMSのほか、ミドル・ローエンドブランド「富可視」やその傘下の富智康が担当するノキアのフィーチャー・フォンの組み立てと販売もある。
富士康がシャープを買収したのは、主にシャープの液晶の分野の技術と能力がほしかったからとの声もある。
しかし、王氏は、「シャープにはOLEDディスプレイがない。スマートフォンにおいても、シャープのLCDは人気が落ちている。一方、液晶パネル中国最大手・京東方科技集団(BOE)が急速に台頭している」と指摘している。
そのため、王氏は、「シャープのスマートフォンは、自社のディスプレイをなるべく使い、その生産能力を消化しなければならない」と語った。 (編集KN)
「人民網日本語」2017年3月27日
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