しばらくの間というもの、中米の経済・貿易関係をどう見るかが国際世論、特に米国世論の焦点となっている。様々な見解を前に真相を見極め、メインストリームを把握したいのなら、統計を見て中米経済・貿易関係の現実の状況をつぶさに整理するといい。(人民日報「鐘声」国際論評)
まず貿易を見よう。中米の貿易的結びつきは非常に緊密で、すでに中国は米国にとって最大の貿易パートナー、米国は中国にとって第2の貿易パートナーとなっている。1979年の国交樹立時、二国間貿易額はわずか25億ドルだった。それが2016年になると5196億ドルに達した。
中米貿易の活力は双方の経済的補完性に源を発し、その結果は互恵・ウィンウィンだ。米国が輸出するボーイング機の26%、大豆の56%、自動車の16%、集積回路の15%の相手国が中国だ。
だが遺憾なことに、中米貿易の盛んな活力を前に、米国にはやはり習慣的に中国の貿易黒字を説明材料にして、「中国経済が米国経済の一角を掘り崩し、米国民の仕事を奪っている」などと言い立てる人々がいる。これは明らかに時代と食い違う思考であり、真相と全く一致しない。
中国の対米貿易黒字は、両国の経済構造の相違によるものだ。イェール大学シニア・フェローのスティーブン・ローチ氏による透徹した指摘のように、米国は101カ国との間に貿易赤字を抱えている。実は中国の対米貿易黒字は、中国が利益を得て、米国が損失を被っているということを意味するものではない。米国の消費者に目を向けると、中米貿易は米国の家庭にとって年850ドル以上を節約する助けとなっている。研究によると、企業レベルでは、中国の対米貿易黒字のうち約40%は中国で経営する米国企業によるものであり、20%は他の外資系企業によるものだという。ましてや、中米の経済が各自モデル転換を進めるにともない、双方間の貿易構造にも転換が生じている。過去10年間に米国の対中輸出は年平均11%増加したが、中国の対米輸出の伸びは年平均わずか6.6%だった。今や中米間のサービス貿易額は1000億ドルを超え、米側が黒字を維持している。
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