これに対し、蘭州大学哲学社会学部の周亜平准教授は、次のような見方を示した。
「時代の発展にともない、各種祝休日の役割にも変化がひっそりと生じている。このうち最も明らかな特徴は、祝休日の文化的役割が薄らぎ、多くの人が物質的な豊かさを満たすことをより重視するようになった点だ。祝日の過ごし方もだんだんと俗化・便利化・同質化する傾向にある。オンラインショッピング、会食、ご祝儀を送ること以外に、充実した祝日の過ごし方や記念になる表現方法を見つけることが、誰にとっても難しくなっている。このような変化は、人々の精神・文化生活の乏しさや大きな社会環境に対する柔軟な対応と妥協を反映したものだ」。
〇「祝日疲労の原因は、多すぎる義務と少なすぎる休息」58.6%
「祝日疲労」の原因について、「やるべき義務が多すぎて、休息のための時間が少なすぎること」と答えた人は58.6%に達した。このほか、「公共スペースが大勢の人でごった返しており、交通が不便(52.0%)」、「休日中はもろもろの『儀式』があり、気苦労が多い(46.4%)」、「出費が多すぎる(42.8%)」、「祝日のイベントがワンパターンで面白みに欠ける(32.3%)」、「祝日が本来の文化的意義を失っている(27.9%)」などが挙がった。
祝日が「ショッピングフェスティバル」になり果てた原因について、周准教授は、次の通り指摘した。
1)精神的欲求を満たすための消費意欲がかなり低く、多くの中国人が質の高い祝日の過ごし方に関する知識を持っていない。
2)祝休日が来るたびに人や車の流れが激増し、深刻な交通問題によって人々の外出意欲が極端に削がれてしまい、最終的には家でオンラインショッピングをして祝日の雰囲気を味わう結果に終わってしまう。
3)オンラインショッピングの急成長によって、各種祝休日が、商店にとって絶好の商機となった。そのことに対する世間の認可度も次第に高まり、祝休日がだんだんと「ショッピングフェスティバル」になり果てた。
周准教授は、「これらの『休日の過ごし方』が定着化したことで、休日の本来の意義が次第に薄らぐと同時に、人々は祝日にやるべき義務に追われ、本当の意味で祝日を十分味わって過ごす時間が奪われ、軽い気分で思い切り遊ぶというムードが若者たちの心に根づいてしまい、中国の優れた伝統文化の伝承の足かせとなっている」と続けた。
〇「休日の過ごし方は十分考える。むやみに時代の風潮に乗らない」64.2%
「祝日疲れ」をいかに緩和すべきか?回答者の64.2%は、「集まりなどのイベントへの出席は適宜調整し、休息のための時間を確保するようにしている」と答えた。このほか、「ショッピングフェスティバルにやすやすと乗らずに、過度な買物は控えている(49.7%)」、「祝日の文化的なバックボーンを理解するようにしている(38.5%)」、「市民の日常活動を充実させるようにしている(28.4%)」などの答えが挙がった。
周准教授は、「祝日中は、積極的に目新しい事物に触れ、生活に楽しみを添えるよう心掛けると良い。だが、娯楽のための時間や娯楽方法をうまく調整して、貴重な休みを自分自身の精神性向上のために使う必要もある。休暇中は、普段は忙しくて疎遠にしている身内や旧友と連絡を取り、彼らとの交流を深めるのも良い。旧交を深めると同時に、疲れた心身をリラックスさせる上で何よりの方法だといえる」とアドバイスしている。(編集KM)
「人民網日本語版」2017年3月29日
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