次に、多国籍企業の経営レベルを測るうえでカギとなるのが子会社に対する抑制能力だ。原子力発電所の建設や運営技術の基準、安全性には高い要求がある。福島第一原子力発電所事故発生後、原子力発電所は巨額の投資が必要なプロジェクトとなった。WECの米国の原子炉4基建設の入札について、東芝の管理層は精査することなく盲目的に認可し、子会社の経営業務に対する監督・管理も行き届いていなかったため、結局懸念していたことが実際に起こってしまった。
最後に、日本式の経営体制の欠点が露呈した。臨時株主総会で、ここ数年配当を得ることができていない一部の株主が「東芝は詐欺会社だ」、「管理層は給料やボーナスをもらっているのに全く責任感がない」などと怒りを表し、当時決定を下したトップに対して連帯責任を負うように求めた。今の責任者に創業者のような責任感や使命感はなく、全ては管理層・幹部の会議で決まったことと言い逃ればかりしていると指摘する声もある。実際には、東芝は数年前から経営難に陥っており、「粉飾決算」とも言える会計操作までしていたことが判明しており、東京証券市場では東芝株が「特設注意市場銘柄」に指定され、未だに改善が見られない。麻生太郎財務相は「誰が社長で誰が最終決断をしているのか、よく見えてこない」と苦言を呈している。140年以上の歴史を持つ老舗企業である東芝がこれほどの窮地に立たされており、世界の多国籍企業はそこから教訓を得るべきだ。(編集KN)
「人民網日本語版」2017年4月10日
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