一方、世界で最も軍事費の伸びが速い地域は中東とアジア太平洋だ。中東地域は戦争と内乱の影響で国防予算の二桁増が続いている。米国の「アジア太平洋リバランス戦略」に伴い、中米の争いが激化し、アジア太平洋諸国は不安を募らせ、次々に軍事費を増額している。
■軍事費増加の主要用途
各国の状況を見ると、増加分の軍事費の主要用途は3つある。
第1に、軍事行動。たとえば米国はアフガニスタンとイラクの戦争で計2兆ドル以上を費やし、NATOのリビア空爆では10億ドルを費やし、対「イスラム国」の軍事行動には年150億~200億ドルを必要としている。ロシアの三大軍種の1つであるロシア航空宇宙軍はシリアでの軍事行動に1日240万~400万ドルを費やしている。
第2に、先進的武器の調達。たとえば米国は現在、武器の高度化と「破壊的技術」の開発を加速している。今後5年間で400億ドルを投じて水中及び対潜能力を高め、120億ドルを投じて新型B-21長距離爆撃機を開発し、560億ドルを投じてF-35ステルス戦闘機400機余りを調達する計画だ。
第3に、人件費の増加。例えばロシアは2012年に軍の人件費を3.5~4倍と大幅に増やして、職業としての軍人の魅力を大幅に高めた。近年の中国の軍事費急増も、人件費の増加が主要な原因の1つだ。中国は2016年に軍人の定期昇給制度を設け、経済・社会発展状況に基づき、基本的に毎年または隔年で1回増額している。
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