「支付宝」(アリペイ)の米国進出が新たな進展を遂げた。運営会社アントファイナンシャルが8日に明らかにしたところによると、支付宝は米決済サービス企業ファーストデータと提携し、消費者はファースト社のサービス網がカバーする米国内の400万店舗で支付宝による買い物ができるようになったという。中国新聞網が伝えた。
現在、米アップル社の決済サービス・アップルペイが米国で急速に発展している。同社のティム・クック最高経営責任者(CEO)は先週行われた電話会議で、「アップルペイは米国内の450万ヶ所で使用可能」と述べた。店舗のカバーという点でみると、ファースト社との提携によって支付宝はアップルと同じレベルに達したことになり、これは支付宝が米国市場でアップルと直接対決できるようになったことを意味する。
支付宝の米市場進出について、上海社会科学院インターネット研究センターの李易チーフ研究員は、「インターネットによるユーザーの拡大という観点からみると、支付宝はすでにボトルネックにぶつかっている。グローバル化を達成し、国際化を果たしたインターネット企業になりたいなら、海外ユーザーの発展が必要であり、海外進出して試行錯誤することが必要だ」と話す。
データをみると、現在の中国モバイル決済市場では、支付宝と「微信」(WeChat)の決済サービス・微信支付が支配的な位置づけにあり、合わせて市場シェアの90%を占める。調査会社・艾瑞諮詢がまとめたデータでは、昨年の中国モバイル決済取引額は38兆元(1元は約16.5円)に達し、前年の3倍になった。これと同時に、米国の消費者のモバイル決済利用率は中国をはるかに下回っていた。米調査会社フォレスター・リサーチのデータによれば、昨年の米国のモバイル決済取引額は1120億ドル(1ドルは約113.7円)にとどまり、中国の約50分の1だった。
李チーフ研究員は、「米国のクレジットシステムは非常に整った、発達したもので、すでに整った金融消費システムが構築されている。このことは支付宝にとって大きな課題だ」との見方を示す。(編集KS)
「人民網日本語版」2017年5月10日
このウェブサイトの著作権は人民日報社にあります。
掲載された記事、写真の無断転載を禁じます。
Tel:日本(03)3449-8257
Mail:japan@people.cn