国土資源部(省)部長、党組書記、国家土地総督察の姜大明氏は18日午前10時頃、中国大陸から300キロ以上も離れた南中国海北部・神狐海域の海洋掘削装置「藍鯨一号」で、中国初のメタンハイドレートの試験採掘に成功したと発表した。
これは中国で初めてというだけでなく、世界においても初の海域におけるメタンハイドレートの試験採掘の成功となる。
メタンハイドレートは「燃える氷」とも呼ばれ、水と天然ガスが高圧・低温環境で形成する氷の結晶に似た物質だ。1立方メートルのメタンハイドレートは分解後、約0.8立方メートルの水と164立方メートルの天然ガスを生む。メタンハイドレートは燃焼しやすく、汚染が少なく、埋蔵量が多いといった特長を備えているため、各国から未来の石油・天然ガスの戦略的代替エネルギーとされている。
国土資源部中国地質調査局は10日より、神狐海域の水深1266メートルの海底から203−277メートルの下方に位置するメタンハイドレートから、天然ガスを採掘した。17日午後3時時点で試験採掘量は12万立方メートルに、最高産出量は1日当たり3万5000立方メートルに、1日平均産出量は1万6000立方メートル以上に達している。うちメタン含有量は最高で99.5%に達し、当初の目標を順調に達成し、連続的・安定的なガス産出を実現。この成功はメタンハイドレート試験採掘の歴史的な突破であり、中国がエネルギー調査で他国の後を追う局面を打開した。理論・技術・プロジェクト・設備の完全に独自の革新を実現し、同分野における「追随」から「リード」という歴史的な飛躍を実現した。この成果は中国のエネルギー安全保障の促進、エネルギー構造の改善、さらには世界エネルギー供給構造の改善にとって、節目となる意義を持つ。
中国共産党中央委員会、国務院は祝電の中で、メタンハイドレートは資源量の豊富な効果的でクリーンなエネルギーであり、未来の世界エネルギー発展の戦略的資源だと指摘した。20年近くのたゆまぬ努力により、中国はメタンハイドレートの調査及び開発の理論・技術・プロジェクト・設備の自主革新、歴史的な突破を実現した。これは深海進出・探査・開発などの重要技術の把握の重大な成果であり、エネルギー生産・消費革命の推進にとって重要かつ深い影響を与える。(編集YF)
「人民網日本語版」2017年5月19日
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