「日本にはいい商品があり、中国にはニーズがある。あとはそれをつなぐ、中国の法律とビジネス環境を理解している人が必要」。渡辺さんは漫画を例に、「日本の漫画産業は豊富な資源を誇るものの、いかに中国でその市場を開発し、現地に馴染ませ、さらに著作権を保護するかが依然として課題」と指摘する。
そして、「今後、それに向かって自分が起業するなら、中国のビジネス環境を本当の意味で理解しなければならない」との見方を示す。そのため、渡辺さんは中国の企業を見学し、同級生と協力して、一つのブランドが電子商取引(EC)のプラットフォームを通してどのように中国市場に進出するかなど、企業が遭遇する実際の問題の解決策を探している。
「授業中であっても、ビジネス上の解決策を探すにしても、思考回路が違うため、同級生とよく意見の相違が起こる。しかし、同じ目標があり、互いに尊重し合うという基礎があれば、必ず折り合いの付く解決策が見つかる」。渡辺さんは、そのような考え方が今後の仕事に役立つと信じている。
「日本企業は、整った評価プロセスがあるものの、商業活動やアイデアのオリジナリティなどについて、あちこちに認可を求めているうちに、往々にして絶好のタイミングを逃している」。渡辺さんは、中国企業が一つの事を非常にスピーディーに決めている点に着目し、「それにはリスクも伴うものの、問題に直面した時の中国企業の臨機応変な姿勢や迅速な調整能力は、見習うべき」との見方を示す。
北京大学のキャンパスや企業から、庶民の生活まで、渡辺さんは自分の目で観察し、それを体験している。渡辺さんは微信(Wechat)のモーメンツで「中国で大人気のシェア自転車は日本で普及するか?」と題する記事を転送し、日本と中国のビジネス環境やスタイルの違いを比較考慮している。
渡辺さんは卒業後、中国企業でしばらく仕事をしてから、起業したいと考えている。渡辺さんが重視しているのは中国企業が提供するワーキングプラットフォームの価値だ。(編集KN)
「人民網日本語版」2017年5月22日
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