今年4月、嘉定で紫藤の開花状況を確認する藤本道生さん(85) 。
花々が咲き誇る4月になると、日本からやってきた藤が植えられている上海の庭園「嘉定紫藤園」は大勢の来場者でにぎわう。滝のように垂れさがる紫の花々がなんとも美しく、風に乗ってやって来る香りを楽しみながら紫色の花の海にいるかのような気分を味わうことができる。花が咲き誇り、大勢の人でにぎわっているその庭園に、きっちりしたスーツを着てゆっくりと歩き、我が子を見るかのようなまなざしで、周りを見渡したり、花を見つめたりしている白髪の男性の姿があった。その男性は、「嘉定紫藤園の父」である藤本道生さん(85)だ。(文:範潔 陳炅■《■は王へんに韋》 。新民晩報掲載)
藤本さんの「道生」という名前は、孔子の「論語」に出てくる「本立ちて道生ず」という言葉から取られたといい、中国とは生まれつき縁がある。藤本さんの実家である岡山県和気町は、約1200年前の奈良時代末期から平安時代初期の貴族・和気清麻呂(わけのきよまろ)が生まれた町。和気清麻呂は、最澄や空海などの遣唐使をサポートしたという逸話がある。中国の歴史や文化をこよなく愛する藤本さんは、「実家のある年長の人が上海で商売をしていたことがあり、日本に帰ってから、上海の友人を懐かしむ話など、その時の事をよく話してくれた。そのため、私も子供のころから上海にあこがれていた」と上海に対しては特別な思いがあることを語った。
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