今月初めに安倍晋三首相が「2020年を新しい憲法が施行される年にしたい」と表明して以来、与党自民党が改憲の歩みを加速している。だが最近、自民党内で安倍氏に挑戦する声が上がり始めている。必ずしも安倍政権の地位を脅かすものではないが、改憲の企てにとっては大きな障害となる。新華社が伝えた。
■改憲に疑問の声
安倍氏が突如打ち出した2020年改憲計画に対して、自民党内では少なからず異議が唱えられている。
改憲計画に冷や水を浴びせた重要人物で特に注目されるのが、石破茂前幹事長と岸田文雄外相だ。石破氏は11日の会合で、党の2012年の改憲草案と違う内容を党内手続きを経ずに発表した安倍氏を批判。岸田氏は2015年10月、新安保法と憲法9条との関係における党内議論はすでに結論が出ており、議論の基準である憲法9条の改正は考えないと表明した。岸田氏は11日の派閥会合でも「憲法9条をすぐに改正することは考えない。まず新安保法がどのような成果をもたらすかを真剣に明らかにすべきだ」と述べた。
■改憲は困難
自民党内の様々な新たな動きは安倍氏のリーダーシップへの挑戦のようだが、実際には現時点で潜在的ライバルたちの行動は安倍氏への実際の脅威とはなりがたい。派閥の人数では、岸田氏も麻生氏も石破氏も安倍氏の派閥とは非常に大きな開きがある。たとえ麻生派が他の2つの派閥を吸収しても、依然比較的大きな開きがある。
安倍氏は大方自民党総裁に再選されるだろうが、改憲という目標の実現はずっと困難だろう。元々改憲案について各派閥の主張は異なるうえ、党内権力争いもあり、党内の意見を一本化するのは困難だ。
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