2017年9月8日  
 

中日対訳健康知恵袋 企画集 北京のお気に入り

新着|政治|経済|社会|文化
中日|科学|動画|対訳|企画
Apple新浪ツイッターFBLINE微信RSS
人民網日本語版>>経済

アップル社が中国のアプリに対してリワードのマージン要求 (2)

人民網日本語版 2017年05月25日08:57

では、「リワード」市場は一体どれほどの規模になっているのだろう?中国国家情報センターシェアリングエコノミーセンターが発表した「中国シェアリングエコノミー発展報告2017」によると、16年、知識分野の市場取引額は約610億元(約9800億円)で、利用者数は約3億人に達している。

現在、中国国内のほとんどのコンテンツコミュニティやライブストリーミングプラットフォーム、さらに、騰訊(テンセント)、網易などのニュースアプリなどに「リワード」機能が搭載されている。アップル社の今回の措置は、これら中国のアプリを微信と共に、「対立陣営」と見なしたものと見て間違いない。

アップル社は「ルート」化してしまうのを懸念?

アップル社が「リワード」に対する措置を強化しているのを背景に、中国のアプリ開発者も対抗策を練っている。ある情報によると、ある企業が現在、中国の工業・情報化部(省)とこの問題について話し合っており、アップル社から「リワード」機能をめぐる公平性に欠く規則を押し付けられていると訴えている。ただ、同部は、「今のところ、このトラブルには介入していない」としている。

では、アップル社の今回の措置は理にかなっているのだろうか?中国政法大学伝播法研究センターの朱巍・副センター長は、「リワードするかしないかは、消費者が自分で決めること。アップル社はハードウェアとツールを提供しているだけで、リワードのマージンがほしいというのは理にかなっていない。また、マージンの発生は、コンテンツのデベロッパーにとっても不公平で、アップル社の今回の措置は大きなリスクを伴う」との見方を示している。

一部の業界関係者は、「リワード機能は、『アプリ内課金』に当たらず、アップル社の決済ルートからは外れている。そのため、アップル社はおもしろくないのだろう。中国の簡単で便利な第三者決済システムと比べると、アップル社の決済システムは複雑で、スピーディーさに欠けるため、ユーザーにとっては便利なものではない。今回、『リワード』機能を排除しようとしているのは、『アップル内課金』を通すスタイルへ導こうとしているのかもしれない」と指摘している。

また、問題の原因はもっと深い所にあるかもしれず、アップル社が懸念しているのは「OTT」である可能性がある。OTTとは、通信事業者やインターネット・サービス・プロバイダー(ISP)に頼らず、インターネットを通じて、コンテンツやサービスをユーザーに提供することを指す。現在、通信事業者が提供している通信業務とは異なり、OTTでは、通信事業者のインターネットを利用するものの、サービスは通信事業者以外の第三者から提供される。その典型的な例は、インターネットテレビやアップル社のApp Storeなどだ。朱副センター長は、「現在、アップル社は、iOSなどを含めて、中国市場においてオリジナリティが薄れており、中国の多くのインターネット企業が独自の環境を構築している。アップル社は当時の通信事業者のように、単なる『ルート』と化してしまうのではと懸念しているのかもしれない」と指摘している。(編集KN)

「人民網日本語版」2017年5月25日


【1】【2】

関連記事

コメント

最新コメント

アクセスランキング