林大盛さん
ビワ、ヤマモモ、ミカンなどたくさんの果物が中国から日本に
林さんによると、中日の交流は長い歴史を誇り、古代海上シルクロードを通して中国から日本に伝わった果物は他にもたくさんある。キンカンだけを見ても、「寧波キンカン」以外に、「マルキンカン」や「ナガミキンカン」などがある。日本では、名前に地名が入っている柑橘系の果物は、他にも『温州ミカン』などがある。
今から約500年前の中国の明の時代に、日本の僧侶・智惠が浙江省の天台山国清寺に留学し、帰国時に、黄岩に寄り、そこにあったミカンをたくさん九州に持って帰った。そして、食べ終わったミカンの種を大仲島(現在の鹿児島)に植え、その苗のうち、種のない苗木だけを引き続き育て、種のないミカンの品種を作り上げた。現地では当初「長島蜜柑」や「唐蜜柑」などと呼ばれていたものの、後になって「温州ミカン」という呼称が一般的になった。
20世紀、日本のビワの優良品種である「茂木」や「田中」なども中国から伝わったものだ。「茂木」は江戸時代に長崎に伝えられ、茂木町に植え付けられたためその名前が付いた。別名「唐枇杷」とも呼ばれていた。一方、「田中」は「茂木」を改良した品種だ。
日本のヤマモモの品種の一つである「瑞光(ズイコウ)」は、1913年に近藤廉平が福建省(一説は温州市)から持ち帰ったもので、「近藤ヤマモモ」とも呼ばれている。
林さんによると、「果樹の品種の交流は双方向の交流。中国には良い品種があり、それが日本に伝わった。一方の日本にも良い果樹があり、それが中国に伝えられた。このような交流のほとんどが『海上シルクロード』で行われた」という。(編集KN)
「人民網日本語版」2017年6月8日
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