近年、孤立主義、テロリズム、保護貿易主義が台頭し、グローバル化は十字路に立ち、世界は不確定性を増している。(文:劉英・中国人民大学重陽金融研究院研究員。人民日報海外版コラム「望海楼」掲載)
こうした中、発展途上国のリーダーとしてBRICSは揺るがぬ力を保ち、世界経済の回復、グローバル・ガバナンスの整備、グローバル化の推進に新たな貢献をしている。これは過去10年間の貢献の延長であり継続だ。2016年に10年目を迎えたBRICS協力体制は、2017年に第2の10年間に入る。
BRICSの優位性は明らかだ。BRICSは世界の人口の44%、国土面積の30%近くを占め、巨大な人口と市場を擁し、豊富な資源に恵まれ、科学技術革新と新技術が急速に進展し、各国間の経済の補完性が高く、発展上の訴えが近い。中国は「世界の工場」であり、130以上の国にとって最大の貿易パートナーで、整った工業システムを持つ。ブラジルは「世界の原料基地」、ロシアは「世界のガソリンスタンド」、インドは「世界のオフィス」、南アフリカは「アフリカの玄関口」だ。
BRICSは安定化装置でありエンジンだ。欧米など先進国が金融危機の泥沼に深くはまりこんでいた2008~2009年、世界経済の成長に対するBRICSの寄与率は80%を超えた。2006~2016年の寄与率は50%を超えた。近年、BRICSに代表される途上国は集団的台頭を実現している。
BRICS5ヶ国間の連動は良好で、2000年~2010年、5ヶ国の貿易は年平均28%伸び、規模は16倍になった。2011~2015年、5ヶ国間の貿易の伸び率は世界の伸び率を10ポイント上回った。BRICSは貿易自由化及び投資円滑化に尽力し、世界全体のGDPに占める割合は10年間で12%から倍増し、貿易額は11%から20%近くになった。
十年一剣を磨く。過去10年でBRICSはグローバル化の理念を革新し、開放・包摂・協力・ウィンウィンのBRICS精神を実行し、新たなグローバル化の先導者となったうえ、政治・経済・金融・貿易・社会・人・文化分野で包括的・多層的な成果を挙げ、60余りの協力体制を構築した。
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