調査会社トレンドフォースのメモリー研究部門の陳■(王へんに介)▼(王へんに韋)アナリストは、「メモリー市場をみると、東芝とウエスタンデジタルを合わせた生産能力の占める割合は世界全体の約34.7%に達し、トップのサムスンの36.6%に引けをとらず、両陣営を併せると70%に達する。東芝だけなら、営業収入は今年第1四半期(1~3月)に19億6800万ドル(1ドルは約111.3円)に達し、市場シェアの16.5%を占め、サムスンとウエスタンデジタルに次ぐ3位だ」と述べる。
陳アナリストによると、「このたび東芝のメモリー事業が日米企業連合を選んだことで、短期的にみれば、最も影響を受けるのは世界のメモリー市場ということになる。今年第4四半期(10~12月)には供給不足状態から需給がバランスした状態に転換し、メモリー価格上昇の勢いが一段落するとみられる。長期的にみれば、買収側は大量のメモリーを必要としており、東芝が生産能力と技術でサムスンを超えるのを助けることになる」という。
だがサムスンは東芝のメモリー事業の調整をきっかけとして、中国にある工場への投資を約10兆ウォン(1ウォンは約0.1円)追加し、19年をめどに同工場の生産能力を現在の2倍に引き上げる計画を立てている。
このたびの買収ではこれから各国の独占対策の審査を通るかどうかをみなければならない。日米企業連合による買収が成功すれば、日本側の後押しを受けて、東芝メモリー事業の上層部と経営方針に大きな変化は起きないとみられる。連合の一員であるSKハイニックスは、新たな東芝メモリー事業の経営に直接携わることはないが、技術をめぐって交流・提携を進める可能性は十分考えられる。
東芝はニュース原稿の中で買収価格を公表していないが、外部では2兆元を下らないとの見方が広がる。東芝が18年3月末になっても債務超過から脱することができなければ、東芝株は上場廃止になる。東芝はメモリー事業の売却に続き、テレビ事業の売却も検討しており、中国の海信が競争に名乗りを上げる見込みだ。(編集KS)
「人民網日本語版」2017年6月26日
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