2016年以降、中国と日本の関係は全体として改善傾向を維持し、双方の各レベルの接触や対話や交流もより密接になり、実務的な協力が緩やかに推進され、両国の国民感情にも回復の兆しがみえている。これと同時にしっかりと目を向けなければならないのは、目下の中日関係改善の動きはやや脆弱であり、引き続き複雑で敏感な要因に直面しており、両国関係は今、坂を上り関門を乗り越えようとする重要な段階にさしかかっているということだ。2017年は中日国交正常化45周年にあたり、18年は「中日平和友好条約」締結40周年だ。中日はお互いに重要な隣国であり、経済協力は両国関係の重要な安定装置になる。両国経済は異なる発展段階にあり、中日企業の間には強い相互補完性があり、未来の協力の潜在力はとてつもなく大きい。「汽車人伝媒」が伝えた。(文:呂克倹・雑誌「汽車人」論説委員、全国日本経済学会副会長、元在日本中国大使館公使、元商務部<商務省>アジア司司長)
▽東アジア地域協力と多国間協力を開拓展開する 多国間の枠組下での協議とコミュニケーションを強化する
経済グローバル化と社会の情報化が深いレベルで発展するにつれ、中国と日本の経済貿易関係は二国間の枠を超えて、地域や世界で幅広い影響を及ぼすようになった。2012年11月中日韓自由貿易圏の交渉がスタートすると同時に、ASEANの10ヶ国と中国、日本、韓国、インド、オーストラリア、ニュージーランドなど16ヶ国による東アジア地域包括的経済連携(RCEP)の交渉もスタートした。この地域には世界の人口の半分にあたる34億人が暮らし、GDPは世界の30%を占め、巨大な市場だといえる。
RCEPの第17回交渉は17年2月に日本の神戸市で行われた。16年10月に日本で行われた中日韓経済貿易大臣会合で、各国は中日韓協力とRCEPでの協力を推進し、この地域の経済一体化プロセスを加速させるなどで幅広い共通認識に達した。東アジア自由貿易圏の計画が積極的な相互連動をみせ、相互に促進しあえば、東アジアの地域協力の全面推進や東アジアの経済一体化の最終的な実現にとってプラスになる。
中日韓自由貿易圏の早期建設を推進することは、資金、資源、技術、人材などの生産要素の3ヶ国間での十分な流動を実現する上でプラスになり、中日貿易投資協力の新たな発展の実現を推進することにつながる。中日韓3ヶ国は既存の協力を土台として関連の交渉を着実に進め、手を取り合って難関を克服し、関連の自由貿易プロジェクトがそれぞれの経済社会の発展に早期に恩恵を及ぼすようにしなければならない。
また北東アジア各国もそれぞれのやり方で隣国との協力を強化しており、汎黄海中日韓経済技術協力などの地域レベルや準地域レベルの協力が実質的な歩みを進め、今後の北東アジア各国は経済貿易協力を手始めに、徐々に各分野での相互信頼や互恵に基づく協力をつき固めていくことが予想される。中日はこの地域や世界で責任ある国として、主要20ヶ国(G20)や世界貿易機関(WTO)などの枠組内での重要国際経済貿易問題をめぐる協調とコミュニケーションを強化しなければならない。
新たな情勢の下、中日双方はより開放的な視野に立って両国の経済貿易関係を観察し開拓展開する必要がある。中日経済貿易協力が今日のような規模と水準に発展したのは、双方がともに努力した結果であり、互恵互利、協力の結果であり、非常に貴重なものであり、双方はこれまでにもまして大切にしなければならない。
事実が明らかにするように、中日は「仲良くすればどちらにもメリットがあり、ケンカすればどちらも傷を負う」関係にある。経験が教えてくれるのは、どれほど困難な時期にあっても、よいことも必ずあり、悲観的な情報を何度も繰り返し伝えるのはどちらにとってもマイナスになるということだ。引き続き中日関係の明るい側面により注意を払う必要がある。
17年は中日国交正常化45周年にあたり、双方は責任感を高め、交流・協力を緩やかに拡大し、両国は協力パートナーであってお互いに脅威にはならないとの位置づけを着実に体現し、相互信頼を絶えず増進することを土台として、中日の戦略的互恵関係を全面的に推進し、両国国民に幸せをもたらすべきだといえる。(編集KS)
「人民網日本語版」2017年6月30日
中日経済貿易関係の現状と展望シリーズ(4):中国企業の「日本進出」が加速
中日経済貿易関係の現状と展望シリーズ(3):中日経貿協力 日本の都市化に学ぶ
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