現地時間3日午前10時、米国を訪れていた中国人研究者・章瑩穎さんを誘拐した罪に問われているクリステンセン容疑者が初めて裁判所に出廷し、尋問を受けた。FBI(連邦捜査局)は先月30日夜、章瑩穎さん誘拐犯の氏名を公表すると同時に、章さんが犯人に殺害された可能性が高いことを明らかにした。今月1日、駐シカゴ中国総領事館の洪磊・総領事が、章さんが現地で研究活動を行っている米イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校に赴き、彼女の家族を見舞うと同時に、米国司法当局に対し、公正な審判と犯人に対する相応の厳重処罰を求めた。環球時報が伝えた。
3日の第一審は、イリノイ州中部連邦地区裁判所で行われた。クリステンセン容疑者は、誘拐罪で連邦裁判所から刑事告訴された。第一審では、容疑者が罪を認めるか否かについて問われ、容疑者の保釈手続きが認められるか否かの決定が下される。保釈手続きの請求が認められない場合、容疑者は引き続き連邦法執行当局に拘束される。当日、現地の学生は章さんを応援するため、傍聴団を作って裁判所に赴き、審議を傍聴した。CNNの報道によると、クリステンセン容疑者は拘留中だったため、弁護士をつけてほしいと要求したかどうかは明らかになっていない。
FBIは現地時間6月30日夜、章さんを誘拐した容疑でクリステンセン容疑者(27)の身柄を拘束したと発表した。連邦裁判所の起訴状によると、音声録音の中で、クリステンセン容疑者は自分がどのようにして章さんを誘拐し、拘禁したかについて詳しく述べた。録音の内容およびその他の確認された細部にわたる事実に基づき、米法律事務室とFBIは、「これまでの調査から明らかになったその他の事実に基づき、執行担当者は、章さんが不幸にも殺害された可能性が高い」との声明を発表した。
AP通信の報道によると、クリステンセン容疑者は2013年、イノリイ大学大学院物理学科修士課程に入学した。彼はもともと、博士課程に進む考えだったが、昨年、学位担当顧問に進路を変えたと告げた。彼は、その理由を明らかにせず、その後も引き続き授業を受け、大学院生アシスタントを担当し、今年5月中旬に修士号を取得した。かつて彼と同じクラスにいたダッタさんは、「事件のことをニュースで知って、とても驚いている。彼は普通な性格で、非常に落ち着いた人物だった」と話した。
イノリイ大学で学ぶ中国人留学生は2日、「非常に驚くべき、新たな事実が明らかになった」と話した。イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校で6月29日、章さんが無事戻るようにと願うキャンパス・ウォーキングツアーとコンサートが開かれた。CNN記者がその時の写真をツイッター上に投稿した。あるネットユーザーが1日、その写真の右上に写っていた、黒いTシャツ姿の髭を生やした男性が、章さんを誘拐したクリステンセン容疑者によく似ていることを発見した。また、別のネットユーザーが、米国のSNS「Reddit」上にアップした写真には、クリステンセン容疑者に似た人が妻らしき人物とともに、章さんを応援するイベントに参加する様子が写っていた。ネットユーザー「@FBI」さんはツイッター上に、「イリノイ警察に調べて欲しい」と要望を出したが、この推測はまだ実証に至っていない。
FBIが章さん誘拐犯逮捕について発表したのち、7月1日午前、駐シカゴ中国総領事館の総領事の洪磊・総領事がイリノイ大学アーバナ・シャンペーン校に赴き、章さんの家族を見舞まった。洪総領事は、「昨夜、警察から連絡を受け、章さんの身に降りかかった不幸な事件に深い驚きと悲しみを感じています。ご家族の皆さんには心からお見舞いを申し上げます。この苦難に満ちた時も、皆さんが強い心を保ち続けるよう願っています。凶悪犯の行為に大きな怒りを感じています。総領事館として、米司法当局に審判を促し、犯人が厳しい処罰を受けるよう求めます」と家族に述べた。父親はじめ家族は、「警察が引き続き徹底した調査を進め、できるだけ早く本人を見つけ出し、米司法当局が犯人を厳しく処罰するよう求めています」と答えた。その後、洪総領事は同校のジョーンズ校長らと電話会議を行い、学校側と警察に対し、章さんの家族に対してくれぐれも宜しく伝えてほしいと告げ、警察側が容疑者を逮捕し、今後さらに調査が進み、起訴に至ることを了解していると話した。(編集KM)
「人民網日本語版」2017年7月4日
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