中国の既存の産業構造における牽引産業として、観光産業が徐々に国民経済の発展を促す重要なパワーになりつつある。最近の調査では、「観光プラス高齢者サービス」という新しいモデルが少しずつ広がり、旅をしながら老後の時間を過ごすのが高齢者向けサービスの新しいスタイルになっている。「工人日報」が伝えた。
高齢者サービス産業という巨大な市場を前にして、ここ数年、中国政府と関連部門は一連の文書を打ち出し、高齢者サービス市場を全面的に開放して、社会のパワーが高齢者サービス産業に参画することを後押ししてきた。業界関係者は、「観光プラス高齢者サービスは観光産業と高齢者サービス産業が業界の枠を超えて融合した産業の優位性を打ち出すことになり、商品の刷新、技術の革新、市場の革新、管理の革新につながり、新たな経済成長源を生み出すことにもなる」との見方を示す。
▽従来型高齢者サービスでは社会ニーズを満たせない
現在、中国には満60歳以上の高齢者が約2億人おり、そのうち半分近くが一人暮らしだ。高齢者サービスは現状にまったく追いついておらず、市場では専門的な管理サービスを手がける企業が不足し、専門性の高い介護要員も大量に不足し、その数は1千万人近いと予測されている。
年をとって一緒に暮らす人がいないのが高齢者にとっては残念なことだ。高齢者世帯で一人暮らしの占める割合は50%を超え、農村部の割合は都市部を上回る。一人暮らしの高齢者のうち、「1ヶ月に1回は子どもに会う」とした人は85%に上るが、「平均1年以上に1回しか子どもに会えない」も8%いた。一人暮らしの高齢者はほとんどの時間を一人で過ごし、心には孤独の影が差す。「高齢者向けカウンセリングが必要」とした人も20%いた。
中国で高齢化が日に日に進行し、「421ファミリー」(両祖父母と両親と一人の子どもからなる家族)や一人暮らし世帯が増え続けるのにともない、これまでのような家族による世話だけでは社会全体の高齢者ケアのニーズを満たせなくなってきた。高齢者サービス産業が多様化する流れの中、市場の方向性を把握し、高齢者サービス産業の資源を統合するにはどうするかが、産業の第一の課題になっている。
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