米国在住の杜さんのネット上での書き込みが最近、大きな話題になっている。今月7日、杜さんは中国科技大学在学中に経験した「不思議なエピソード」を紹介し、「ある日、学校から補助金を受け取るために学食カードを持ってくるようにという通知を受けた。自分の経済状況について、誰にも話したことはなかったのに」と書き込んだ。後にそれは貧困家庭に対し、学校側が行っていた水面下での援助活動だったことを知ったという。
思いもよらない援助に感動
「あの書き込みがこんなに話題になるなんて予想外だった。現在までにすでに『いいね!』を4万回以上、コメント1800件以上が寄せられおり、その数字はまだ増え続けている。多くの人がこのエピソードに感動している」と杜さん。
2004年、杜さんは中国科技大学に合格したものの、家庭の経済状況が思わしくなく、支出の一つ一つに心身恐々としながら過ごしており、一日三度の食事も、比較的安い学生食堂を利用し、「朝は油条(中華風揚げパン)2本と豆乳1杯。昼食と夕食は半人前を注文していた。だから、1日の食費は6元(約100円)以下だった」という。
05年初め、杜さんは学校からのメールを一通受け取った。そこには、「昨年12月の補助金360元(約6000円)を受け取るために、学食カードを持ってくるように」と書かれていた。突然のことに杜さんは驚き、「学校で自分の家の経済状況が悪いことは誰にも言ったことがない。それなのになぜ生活補助をもらえるのか?」と学校側の間違いだと思ったという。
その後、杜さんは学校の職員から、「学校は各学生の食堂での学食カード利用状況をモニタリングしている。1ヶ月の利用額が200元(約3300円)以下の場合、学校が相応の生活補助を支給する」と伝えられたという。
杜さんはそれにとても感動したといい、その後、経済状況の良い家庭の同級生にそのことを話すと、「彼もとても驚き、学校のモニタリングシステムをチェックするために、彼はなるべく現金で購入し、結局1ヶ月で、食堂での学食カードの利用額は20元(約330円)に満たなかった。しかし、その同級生のもとに補助金の通知は来なかった。彼はとても怒って、学校の関係職員に『どうして補助金をくれないのか』と聞くと、『あなたの利用記録からして、食堂ではあまり食事をしていない。だから、貧困家庭の学生にはあてはまらない』と説明された」という。
杜さんはすでに卒業し、12年前のそのエピソードを思い出すたびに感動を覚えるのだという。そして、「受給している学生以外には、その援助について知っている学生はほとんどいない。学校も支給している学生のプライバシーを保護するために工夫してくれている」とした。
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