日本は自動車産業の世界市場シェアに比べて、カーシェアリング産業の発展が相対的に遅いといえる。専門に運営する企業は数社あるが、ブランドの影響力や市場シェアはウーバーなどの欧米のライバルたちに遙かに及ばない。これは1つには日本の都市には整った便利な公共交通システムがあるからであり、また1つには法律や政策による規制があるからだ。人民日報が伝えた。
自動車が専門の日本現代文化研究所の呉保寧シニアチーフ研究員は、「日本のカーシェアリングは『タイムシェア』と『ライドシェア』(相乗り)の2タイプに分けられる。タイムシェアとは、貸し手側が自分の保有する自動車を提供し、利用者に自ら運転して利用してもらうというもので、日本では自動車レンタル産業として扱われる。ライドシェアは貸し手側が自分の保有する自動車を提供するだけでなく、運転サービスも提供し、タクシーのように利用者に乗ってもらうというもので、日本ではタクシー産業として扱われる」と説明する。
日本ではタイムシェアが所属する自動車レンタル産業において運営会社と車両本体のダブル管理が行われている。これまでカーシェアリング業務を営む企業は営業許可証の取得が必須で、それと同時に車両を「最初の駐車位置に戻す」よう保証しなければならなかった。元の位置に戻さないと、警察が違法駐車として厳しく取り締まることになった。しかし2014年に国土交通省はシェアリングエコノミー(共有経済)の発展ニーズに対応するため、規定を緩和し、車両を必ずしも「最初の駐車位置に戻」さなくてもよいとした。それには条件があり、レンタル会社が情報技術(IT)に基づく手段を利用して車両の所在地を管理することと、車両を「特定の駐車位置」に駐車することが必要とされた。こうした状況の下、レンタル会社は車両台数の1.5倍から3倍の駐車スペースを準備しなければ、監督管理の要求を満たせなくなった。運営コストが上昇したことは間違いない。
ライドシェアが所属するタクシー産業においては、運営会社と運転手のダブル管理が行われている。これは従来型タクシー産業の利益分配に関わるだけでなく、乗客の身の安全にも関わることであり、日本政府は同産業に対して慎重な姿勢を崩さなかった。ウーバーのような欧米の先駆者といえども、日本の主要都市では従来型タクシー企業との提携協力を踏まえた間接的な営業活動しか行えず、直接的な営業活動は政府の指定するテストエリアでしか行えない。こうしたエリアは基本的に「人口過疎エリア」で、公共交通や従来型タクシーが不足しており、カーシェアリングが移動手段をもたない高齢者・超高齢者の外出ニーズに応えている。
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