バランスシート膨張の危機は、今や財政危機後の日本経済に脅威を与える時限爆弾となっている。現在、日銀が保有する国債資産の加重平均金利は0.317%で、短期金利がこの数字を超えると「逆ざや現象」が出現し、財務危機に陥る可能性がある。また日銀の自己資本率が低すぎることがあり、16年末はわずか7兆6千億円だったのに対し、超過準備の規模は320兆円に達し、財務リスクが増大している。現在、日銀保有の400兆円を超える国債の平均残存期間は7年を超え、こうした状況の中で日銀が量的緩和から撤退しようとするなら、周期が長く、コストが極めて高いだけでなく、難度も非常に高いといえる。
今の世界では、ほぼすべての国が多国籍資本の自由な流動とレート変動の影響を受けており、各国の中央銀行が自国の経済状況だけに基づいて金融政策を調整することは難しい。米連邦準備制度理事会(FRB)が利上げを行い、年内にもバランスシートの縮小を実施する見込みの中、世界は金融政策正常化の流れに回帰しつつあり、この流れは量的緩和を堅持する日本にとって必ずや巨大な圧力となり、日本のイールドカーブ(利回り曲線)の調整目標がより高いリスクに直面することになる。金利がコントロールを失えば、それによって生じる損失は巨額のものになる。政府が資本注入を迫られれば、財政危機を悪化させるだけでなく、国債の信用が損失を受けるなどの連鎖反応を引き起こす可能性がある。よって2%のインフレ目標達成がほとんど絶望的な中、やむを得ず緩和に「急ブレーキ」をかけることが、日銀の今後の政策運営の重要な選択肢になるとみられる。(編集KS)
「人民網日本語版」2017年7月18日
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