「ドクラムはブータンに属する」とのインドの論法も同様にばかげている。中国とブータンは1980年代から、すでに24回にわたって国境画定協議を行っている。両国はまだ正式な国境を画定していないものの、国境地域の実際の状況と国境線の方向性については基本的なコンセンサスがある。ドクラムが中国に属するという点において、中国・ブータン間に溝はない。一万歩譲っても、中国・ブータン両国の事はインドとは関係なく、インドが干渉する必要はなく、インド側に中国・ブータン国境画定交渉に介入する権利はなく、ブータンのために領土範囲を主張する権利もない。インド側がブータンを口実に中国領に進入することで、中国の領土主権を侵害するのみならず、ブータンの独立主権も損なった。
中国側の道路建設がインドに「安全保障上の懸念」をもたらすとのインド側の論法もばかげている。中国側が自らの領土上で道路を建設するのは、主権国家として正当な行為であり、合法で理にかなっており、中国・ブータン間のコンセンサス及び協定にも違反しない。全く反対に、インド国境部隊が不法に越境して中国域内に押し入ったことで、初めて現状が変えられたのだ。再び一万歩譲って、たとえ既定の国境の相手側に安全保障上の懸念があったとしても、双方は外交ルートを通じた信頼醸成措置によって解決するのであり、インド側がいわゆる「安全保障上の懸念」を理由に、軍人を派遣して既定の国境線を越え、隣国の領土に進入するのは、どのような活動をするのであれ、どの主権国家がこのような行為を容認し、どの国際法がインドにそのような権利を与えただろうか。
まさに中国外交部報道官が述べたように、インド側が今回もめ事を引き起こした目的は明確だ。すなわち、いわゆる「安全保障上の懸念」を口実に、いわゆる「ブータン保護」を名目に掲げ、既定の国境を越えて、全く係争のない中国のドクラム地区に進入し、ドクラム地区で係争をつくることで、中国・ブータン両主権国家による国境画定交渉を阻止、牽制することだ。
まさに王部長が述べたように、この問題の解決は簡単だ。すなわち、インド軍がおとなしく撤退することだ。ドクラム対峙事件の平和解決の前提条件はインド側越境部隊の無条件撤退だ。(編集NA)
「人民網日本語版」2017年8月3日
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