▽公共空間の利用で注意深さを求められる先進国
シェア自転車は多くの人に歓迎されてはいるが、中国で竜巻が吹き荒れて町を次々飲み込んでいったような勢いとは異なり、各社の海外における投入ペースは非常に慎重だ。
モバイクの今回のロンドン進出の場合、第一期投入台数は750台だ。公開された報道によると、モバイクとofoが海外都市に進出する際、最初の投入台数はだいたい数百台から1千~2千台になる。国内での数万台と比べ、海外での動きは明らかに「控えめ」だ。投入台数が少ないため、「これでは利用したい人が利用できないのではないか」と疑問の声を上げる人もいる。
モバイクの海外事業責任者クリス・マーティンさんは、「私たちは(中国国内での)速い展開に慣れているが、海外での事業開拓時には、現地のリズムに合わせる必要がある。海外の都市に進出する際にはいつも、現地政府と数ヶ月にわたってやりとりやすりあわせを行わなければならず、投入する自転車の量、現地の法律法規への対応調整、停車の状況などについて話し合う。マンチェスターに進出した時には、現地政府がモバイクのために公式投入スポットと推薦停車スポットを60ヶ所提供してくれた。シェア自転車が中国で誕生したばかりの時にも、乗りたくても見つけられないという状況がみられた。海外でも時間の推移にともなってこうした問題は解決されていくだろう」と話す。
実際、シェア自転車が初めて市場に登場して無計画に拡張していった時に中国の監督管理部門が寛容に見守ってくれたのに比べ、公共空間での利用をめぐる問題により敏感な先進国では、シェア自転車各社はこれまで「先に行動、後で報告」せざるを得ず、監督管理部門と事前に良好なコミュニケーションがはかれなかったといった苦い思いを味わっている。
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