最近、他人と共有して利用するシェアリング商品がますます増え、種類もますます豊富になっている。「広州日報」の報道によると、8月初めに広東省仏山市順徳区にある企業がシェアエアコンというコンセプトを打ち出し、8日にはシェアエアコンの公開テスト版を初めて打ち出した。このシェアエアコンは「保証金プラス時間ごとの利用料」モデルを採用し、エアコン1台につき3千元(1元は約16.4円)の保証金と1時間あたり1元の利用料を支払う。電気代は利用者が各自負担する。1年に5ヶ月間、1ヶ月あたり20日間、1日あたり6時間利用した場合、エアコン1台のコスト回収には5年かかる計算になる。人民網が伝えた。
同社の公式サイトによると、これまでのリース事業のお得意様の宿舎、大学、ホテルなどの大型公共施設だけでなく、同社の商品を1990年代生まれ(90後)の消費クラスターに主に打ち出したいのだという。というのも、90後が目下、社会に出て消費市場の新たな主力軍になりつつあり、彼らの考え方は上の世代と違って新しい物事をすんなりと受け入れる傾向があるからだ。90後クラスターが2人で1つの新しい家庭を作り、1家庭につき3台のエアコンが必要とすると、全体で2億6千万台の市場ニーズがあることになる。
だがネットユーザーからは「この事業は割に合わない」との声も上がる。「3千元の保証金が出せるなら自分で1台買った方がいい」という人もいれば、「広州では1年に8ヶ月間はエアコンが必要だ。毎月20日間、1日あたり8時間利用したとすると、1時間の利用料は1元なので、年間利用料は1200元になる。1年半分の利用料で1台買える」とそろばんをはじく人もいる。
90後の消費者は取材に答える中で、「エアコンは生活必需品。夏はエアコンがないとやっていけないので、自分で買う。わざわざ借りる必要はない。エアコンは家に必要な家電で、他人と共有するのは心理的に煩わしい」と述べた。
家電ウォッチャーの劉歩塵さんは、「シェアエアコンやシェア家電製品は短期的な企業側の販売宣伝だけでは、すぐにブームが去ってしまう。特にエアコンは取り付けて利用し、取り外し、また取り付けて利用することを繰り返しているうちに品質が劣化して、利用者の満足度も低下することになる。家電製品はシェアリングになじまない。シェアリング商品の重要な特徴は流動性であり、たとえば自転車などがふさわしい。家電は他のシェアリングプラットフォームと異なり、家庭での利用がやはり主流で、私有物という性質が強い。シェアリングは家電の発展状況に合致しない」との見方を示す。(編集KS)
「人民網日本語版」2017年8月23日
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