2日に閉幕した第18回アジア競技大会ジャカルタ大会で、中国は金メダル132個を獲得し、10大会連続の1位を獲得したものの、その金メダル数はここ16年で最少となった。2位は金メダル75個を獲得した日本で、ここ20年で初めて韓国を上回った。アジアのスポーツ界は現在、中日韓の三強時代から、中日の二強時代へと次第に変わってきている。新華社が報じた。
4年前に韓国・仁川で行われたアジア競技大会の金メダル数は、中国151個、韓国79個、日本47個だった。そして今回、その勢力図は一気に変化し、中国132個、日本75個、韓国49個となった。
この2大会の金メダル数を見ると、中国は19個、韓国は30個減ったのに対して、日本は28個も増えている。
中日対決で競泳は引き分け バトミントンは日本女子が台頭
ジャカルタ大会の前半戦の最大の見所は、競泳の「中日優勝争い」だった。中国と日本の選手は6日間の戦いの末、金メダルをそれぞれ19個ずつ獲得し、優勝争いはひとまず引き分けに終わった。4年前は、中国の金メダル数が日本を10個上回っていた。金メダル数こそ引き分けたものの、日本の銀メダルの数(20個)は中国を3個上回り、メダル総数も2個上回った。
男子競泳では中国の孫楊選手が金メダル4個、銀メダル2個、「背泳ぎキング」の徐嘉余選手が金メダル5個と圧倒的な実力を見せたの対して、女子競泳では、彗星のごとく現れた日本の「天才少女」池江璃花子選手(18)が金メダル6個、銀メダル2個と他を寄せ付けなかった。女子競泳では、中国の劉湘選手が得意種目とは言えない50メートル背泳ぎで、世界記録を更新した。ただ、劉湘選手も張雨霏選手も、得意種目ではそれぞれ池江選手に敗れてしまった。
バトミントンを見ると、中国は男子団体、男女混合ダブルス、女子ダブルスで金メダルを獲得した。一方の日本は、女子団体の金メダルだけに終わったが、男子シングル、女子ダブルス、男子ダブルス、女子シングルでも金メダルを獲得できるチャンスは十分にあった。近年、世界のバトミントン界で、日本は急速に台頭しており、女子ダブルス世界ランキングには、日本から4組が入っている。女子シングルでも山口茜選手や奥原希望選手などが高い実力を誇り、男子シングルでも桃田賢斗選手が世界選手権で優勝するなどその実力を一気に爆発させている。
主力の戦いが見れなかった体操と卓球
16年のリオデジャネイロ五輪の体操では、中国は団体戦で銅メダル2枚を獲得しただけの「惨敗」だったが、今回のアジア競技大会では金メダル8個、銀メダル5個、銀メダル5個と、見事汚名を返上した。
中国が10連覇していた男子団体では、前大会で日本が金メダルを獲得していたものの、今大会では中国が再び金メダルを奪取した。ただ、10月に世界体操競技選手権が控えているため、日本は内村航平選手など主力選手3人をアジア競技大会には派遣していない。そのため、中国が獲得した金メダルの価値はやや低いと言わざるを得ない。
同様の状況は卓球でも見られた。東京五輪に向けて若手選手に経験を積ませるために、中国は馬龍選手や丁寧選手、劉詩■選手(■は雨かんむりに文)などの主力をアジア競技大会には派遣しなかった。また、東京五輪で中国の最大のライバルとなる日本も、石川佳純選手や伊藤美誠選手、水谷隼選手などの主力選手を派遣しなかった。
東京五輪に向け、中国は自信を失わず、真っ向から勝負するのみ
東京五輪に向けた前哨戦について、中国選手団の報道官は1日、「今回のアジア競技大会の競泳、陸上、バトミントン、卓球、ヨット、レスリング、柔道、空手、トライアスロン、ロッククライミングなどの競技の中日直接対決をの成績を見ると、体操、ヨット、レスリング、柔道、空手、ソフトボール、スケートボード、ロッククライミングなどで、日本が優位に立っている。また、卓球やバトミントン、競泳、陸上、フェンシングなどでも、日本は急速に進歩しており、中国にとっては一定の脅威となっている。そのため、中国代表団の東京五輪に向けた前哨戦は依然として予断を許さない状態」と兜の緒を締めた。
一方、日本選手団の山下泰裕団長は、「東京五輪では、金メダル30個」を目標に掲げていることを明らかにしている。この数は中国がリオ五輪で獲得した金メダルよりも4個多い。リオ五輪では日本の金メダル数は12個にとどまった。日本がこれほど高い目標達成を本気で目指していることは、今回のジャカルタ大会の戦いぶりからもうかがい知れた。柔道やレスリング、体操、競泳などの得意種目のほか、東京五輪で日本は中国が金メダルを狙う卓球、バトミントン、アーチェリー、陸上、ヨット、重量挙げなどでも金メダル争いに加わる可能性が十分にある。
中国の東京五輪への道は険しく、多くの課題を乗り越えなければならないだろう。アジア競技大会では「防衛」を果たした中国は、自信を保ちながらも、近年一気に台頭している日本に対する警戒を強め、優秀な若手選手を発掘することで、各競技における選手同士の優れた競争意識を育んでいくことが望まれる。(編集KN)
「人民網日本語版」2018 年9月4日
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