コーヒーは今や飲料市場の人気者で、炭酸飲料の大手も無視できない分野になっている。世界最大の飲料品メーカーの米コカ・コーラはこのほど、39億ポンド(約4444億円)で世界3位のコーヒーチェーンブランドの英国コスタを買収すると発表した。取引は来年に完了する見込み。数日前には、スイスのネスレが71億5千万ドル(約7929億4千万円)で米スターバックスの小売業務を買収したばかりだ。「北京日報」が伝えた。
コカ・コーラは声明の中で、「(コスタの親会社の英)ウィットブレッドから保有するコスタの株式を買い取れば、コスタは今後、欧州、アジア・太平洋、中東、アフリカなどの地域においてコカ・コーラに強力なコーヒー販売プラットフォームを提供することになる。買収が完了すれば、コカ・コーラはコスタの発行済み株式をすべて保有することになる。なおこの取引は欧州連合(EU)と中国の反独占の審査を通過しなければならず、2019年上半期に取引が完了することを見込む」と明かした。コスタは1971年の創業で、95年にウィットブレッドが1900万ポンド(約27億2448万円)でコスタを買収した、当時の店舗数は39店ほどだったが、現在は4千店舗近くある。
コカ・コーラのジェイムズ・クインシー最高経営責任者(CEO)兼社長は、「ホットドリンクはコカコーラが世界的ブランドをもたない数少ない分野の一つ。コスタの強力なコーヒープラットフォームによりコカ・コーラはこの市場に参入できるようになる」と話す。
コカ・コーラはこれまでコーヒーを手がけてこなかったわけではなく、64年にはインスタントコーヒーブランドのダンカンフードを買収した。だがその後のコーヒー市場開拓の試みは保守的だった。コカ・コーラとネスレが50%ずつ出資して設立した合弁会社はネスレのインスタントコーヒーと紅茶飲料のネスティを生産し、市場ごとに分業して生産販売を手がけた。その後、ネスレはこの前途有望なブランドを買い戻すことにし、提携は17年に終了した。唯一の成功モデルは日本市場向けに研究開発したジョージアで、年間の売上高は10億ドル(約1109億円)を超えるものの、主な市場はアジアにとどまる。
今回の買収によりコカ・コーラのコーヒー事業のラインナップがさらに拡大することになる。コスタはコカ・コーラにコーヒー供給チェーン全体の専門的知識を提供し、これには調達、自動販売、販売ルートなどのノウハウが含まれる。
コーヒー業界では数日前にも別の大型買収案件が行われた。8月29日にネスレとスタバは共同声明を発表し、コーヒー大手のネスレが71億5千万ドルでスタバのコーヒー小売業務を買収するライセンス取引が完了したことを明らかにした。ネスレは永久的な世界販売権を取得し、スタバの店舗以外の場所でスタバパッケージ商品を販売できるようになった。ただこの買収の取り決めはスタバの世界にある実店舗2万8千店には適用されない。(編集KS)
「人民網日本語版」2018年9月3日
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