関西国際空港は台風21号(チェービー)の影響を受け、輸送力が普段の2割程度まで落ち込んだ。同空港に近い2つの空港は12日、国土交通省からの要請により、西日本の空の玄関である関西空港の発着便のうち1日70便の振替を引き受けることに同意した。新華網が伝えた。
関西空港は利用数が日本で3番目に多い空港で、1日あたり利用者数は延べ約8万人に上る。2017年度の発着便数(国内線・国際線)は1日あたり延べ515便に達した。同空港では、数年前から外国人旅客の利用者数が大幅に増加しており、そのうちの多くが、中国・韓国・東南アジア諸国の国民となっている。
台風21号の影響を受け、関西空港には高潮による海水が流れ込み、滑走路、駐機場、第1ターミナルビルの施設が冠水に見舞われ、4日午後から閉鎖された。被害が比較的少なかった第2ターミナルビルでは、国内線の一部フライトは7日、国際線は8日、それぞれ運航を再開した。
しかし、関西空港の輸送力は現時点で普段の2割程度にとどまっている。国土交通省は航空会社各社の求めに応じ、同空港に近い大阪伊丹空港と神戸空港に1日70便を振り替えるよう調整した。
大阪国際空港(伊丹空港)近隣にある10の自治体で構成された「大阪国際空港周辺都市対策協議会」は12日に会議を開き、国土交通省からの要請に同意を示し、関西国際空港発着便のうち40便を伊丹空港で受け入れることを承知した。また、神戸市も、市内にある神戸空港が1日30便を受け入れることに同意した。二つの空港への振替の対象となる便には、国際線フライトも含まれている。
国土交通省は、もともと、午前7時から午後9時という伊丹空港の運用時間を午前7時から午後10時まで1時間延長することを求めていたが、「大阪国際空港周辺都市対策協議会」は、伊丹空港の周囲には住宅区が密集しており、住民が騒音被害に曝されることを懸念し、この要求については拒絶した。ただし、フライトが遅延した場合は、特別に午後9時以降の運用を認めることとした。
伊丹空港と神戸空港では現在、国際定期便は運航されていない。それによって、国際線フライトの振替に対応するためには、税関係員と出入国係員の増員を行う必要がある。
海上に位置する関西空港は沿岸の海を埋め立てて建造された。空港と外部を結ぶ連絡橋は今月4日、台風21号の強風で流されたタンカーが衝突、路面の一部がずれて破損し、空港はいったん外界と隔絶された状態となった。共同通信社の報道によると、空港係員を含む約8千人が一時足止めとなった。
関西エアポート株式会社の山谷佳之社長は、8日に行われた記者会見において、「第1ターミナルビルは、1週間以内の営業再開を目指している。だが、国際線が完全に復旧する時期については、まだ明らかにすることはできない」と話した。(編集KM)
「人民網日本語版」2018年9月14日
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