これにより、中国ではeスポーツの流れが大きく変わった。13年には、eスポーツ「中国代表」チームが結成され、17年の「リーグ・オブ・レジェンド」決勝は、スポーツの聖地・北京国家体育場(通称「鳥巣」)で開催された。さらに、eスポーツは「スポーツ競技」としての座をより確かなものとするようになり、今年インドネシア・ジャカルタで開催されたアジア大会では、公式公開競技としてそれが実施された。さらに、22年に中国の杭州で開催されるアジア大会でも「eスポーツ」が正式競技として実施される。世界的なスポーツ大会や中国政府にも認められるようになり、若いeスポーツ愛好者も堂々とそれができるようになっている。その他、eスポーツタウンなどのプロジェクトが各地で実施され、eスポーツの産業化がどんどん進んでいることが分かる。
しかし、その道は決して平坦ではない。eスポーツの中国代表チームが結成され、ある水泳の飛込競技の選手は、「eスポーツってスポーツなの?ゲームで遊んでいてオリンピック金メダリストになれるんだったら、私たちがこんなに一生懸命練習しているのは無駄だ」と話したことがある。確かに、eスポーツが「スポーツ種目」であるかをめぐる議論は依然として続いており、オンラインゲームを不健康な遊びと見なす声が圧倒的に大きい。世代によって価値観が大きく異なるということは、あと10年経ってもeスポーツが大半の人に受け入れられるということはないのかもしれない。
しかし、政府から民間においてまで、eスポーツの正規化という流れが変わることはない。社会において発言権を持つようになり、少しずつ産業化されるにつれ、eスポーツはペースを速めて「汚名」を返上するだろう。若者たちは将来、サッカーやバスケットボールの試合だけでなく、各種ゲームの大会にも熱中するようになるはずだ。それは時代の大きな変化となるだろう。
どのような見方や価値観が「正しい」かということを結論づけるのは難しいことだ。中には、「私たちは、上の世代の人に偏見のまなざしで見られながらも、プライドを持ってやっている」という声もある。しかし強調しなければならないのは、eスポーツの正規化は、不必要な偏見を振り払い、若者の趣味や関心事を受け入れるという意味でもあり、eスポーツのスポーツマンシップに則って戦う精神は、オンラインゲームで遊ぶのとは異なるという点だ。eスポーツが正当であると見なすからといって、オンラインゲームをそう見なすわけではない。(編集KN)
「人民網日本語版」2018年11月7日
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