マグロは長きにわたり、日本人に愛され続けてきた魚だ。この日本人の「美食」は、高級料理屋でも家庭の食卓でも欠かせない存在。そして、旬を迎えたマグロは鮮やかな赤色の身に、ぷりぷりとした歯ごたえで、冬の時期に人気の海の幸の一つと言える。
新鮮で柔らかく、脂がのっていて、栄養豊富といった特徴から、マグロは常に、代表的な刺身の材料と見なされ、マグロの日本での年間消費量は、世界全体のほぼ5分の1を占めている。
〇漁から競りまで「新鮮」を保つ秘訣は?
本州の中部、太平洋沿岸に位置する静岡県は、豊富な海洋資源から、マグロの漁獲量は年間3万トンに達し、全国の約2割を占めている。マグロは遠洋の塩分濃度の高い海域で育つため、現地の漁民は、通常、遠洋船に乗って太平洋の深海地域に向かいマグロ漁を行い、専用運搬船で漁獲したマグロを港まで運ぶ。
マグロの肉質を新鮮に保つために、漁民は通常、漁獲後ただちにエラを除去するなどの加工処理を行い、マイナス60度の超低温冷凍庫で保管する。急速冷凍のスピードが速ければ速いほど、魚肉細胞の破壊を最小限に食い止めることができる。このため、市場に出回るマグロの多くは、冷凍したものだ。
日本の食卓に上るマグロの50%以上は、静岡県東部沿岸の清水港で水揚げされたものだ。冬季はマグロ漁の最盛期で、毎日、明け方ここで水揚げされたマグロが、近くの魚市場で取引される。
清水港の漁市場では、毎日早朝、マグロ40~50尾が重さ順に並べられ、競りにかけられる。経験豊かな業界人にかかれば尾の筋模様と色だけを頼りに、魚全体の品質の優劣を判断することができるという。買い手のほとんどは、現地の水産物販売業者で、10分も経たないうちに、その日に競りに出されたマグロがすべて競り落とされてしまう。
日本では、長期間にわたってマグロの稚魚の乱獲が行われてきたため、沿岸の漁獲量がこの10年間減少し続け、価格も上昇し続けている。事実、現在の卸値は、5年前より25%上昇している。今年初め、悪天候が漁獲にマイナス影響を及ぼし、市場では需要に供給が追い付かない状況に陥った。日本の大型水産企業の多くが、野生のマグロに対する依存を段階的に減らすことを計画し、マグロの人工養殖を検討し始めている。
〇刺身が日本人の最も好きなマグロの食べ方
日本におけるマグロの食べ方には、どのようなものがあるのだろうか?またその料理法にはどのような工夫が凝らされているのだろうか?
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