2018年における中国のネットワーク上の著作権産業市場の規模は前年比16.6%増の7423億元(1元は約16.55円)に達した。2006年から現在に至るまで、中国のネットワーク上の著作権産業は10年以上連続で急速に成長し続けており、中国の著作権産業の振興を促進する柱のような存在であり、中国のデジタル経済の発展を牽引する重要な力となり、世界のネットワーク上の著作権産業においても重要な役割を果たすようになっている。法制日報が報じた。
中国国家版権局のネットワーク上の著作権産業研究拠点がこのほど北京で発表した「中国のネットワーク上の著作権産業の発展報告(2018)」(以下、「報告」)は、中国のネットワーク上の著作権産業の主な特徴や発展の動向を分析、解説している。
有料コンテンツ市場の規模が3686億元に
これまで中国のインターネット上では、著作権を侵害するコンテンツが多く存在していたものの、ここ約10年で大きく改善され、各企業は正規版を利用した運営を行うようになり、ユーザーにも正規版を有料で利用するという意識が芽生えてきた。ネットワーク上の著作権産業では、ユーザーからの料金徴収と広告費というビジネススタイルがすでに確立されている。中国国内外で変化に富む年となった2018年、中国のネットワーク上の著作権産業は積極的に構造調整やコンテンツの質の向上、海外市場への進出、新興技術の採用などを進め、2017年に6364億5000万元規模だった同市場は、2018年に約1000億元増加し、安定した急速な成長を実現した。
「報告」によると、産業構造と利益確保のスタイルの分野で、2018年には一部変化が生じ、オンラインニュースメディアやオンラインゲーム(eスポーツを含む)、オンライン動画(アニメを含む)が依然として産業の三大柱となっており、同3分野だけでネットワーク上の著作権産業のシェアの85%を占めているものの、ショート動画やライブ配信などの新業態が飛躍的な発展を遂げており、利益確保のスタイルが少しずつ確立され、市場のシェアに占める割合も顕著に高まり、ネットワーク上の著作権産業の構造の多元化を促進している。特に、ここ数年、爆発的人気となっているショート動画産業は、ユーザーの利用時間が急速に増えているのを背景に、成長幅が300%と非常に大きくなり、その他の業態を大きく突き放している。オンラインライブ配信のユーザーのアクティブ度はやや落ちているものの、ライブ配信技術が、細分化された各分野に一層溶け込むようになっており、オンライン教育、ゲームのライブ配信などが台頭するようになっている。新型業態も、従来の業態との融合を深めており、ゲームのライブ配信や音楽・ショート動画、VR/ARゲームなどの分野で新たな成長の原動力が出現している。