中国で映画「存在のない子供たち」がダークホースとなった理由は? (3)

人民網日本語版 2019年05月14日13:21

「存在のない子供たち」はモキュメンタリー・シュルレアリスムの手法を通して、底辺社会で誰からも助けの手を差し伸べられることなく辛い生活をしている子供たちを描いた物語だ。そしてそれが中国の人々の心を強く動かした。

北京師範大学芸術・伝媒学院の陳剛准教授は、「中国の人々にとってもそれは身近なテーマで、自分の人生体験、自分と子供、両親との関係と重ね合わせることができる。重ね合わせた時に、いわゆる共感を覚える。中国であっても、レバノンであっても、見る人に非常に強烈な共感を与え、社会でも反響を呼ぶことができる」と分析する。

シュルレアリスム作品の「存在のない子供たち」がヒットしたことは、公開前に、中国の俳優・黄渤(ホアン・ボー)や徐■(シュー・ジェン。■は山へんに争)、黄暁明(ホアン・シャオミン)、文牧野(ウェン・ムーイエ)監督などが微博(ウェイボー)でおすすめの映画として推薦したことや、ショート動画アプリ・抖音(Tik Tok)で、同作品のテーマや主役、セリフなどと密接な関係があり、ネットユーザーが共感を覚えやすいショート動画が宣伝のために投稿されるなど、多くのネットユーザーの心に訴えかけるマーケティングが行われたこととも密接な関係がある。

抖音に投稿された「存在のない子供たち」関連の動画のクリック回数は2500万回以上となっている。陳准教授は、「同作品は、抖音など、ニューメディアを活用したたくさんのマーケティングが行われた。それらニューメディアによって、人々の心に訴えかけられたことが、映画館の興行収入の伸びに表れている」と分析する。(編集KN)

「人民網日本語版」2019年5月14日   

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