英レスター大学でメディア学を専攻している王彦さん(仮名)は、まさに、この2割のなかの一人だ。「学部では新聞学科に在籍していた。将来は、ニューメディア業界で働きたいが、学部教育では、この分野に対する理解が足りないことを自覚した。そのため修士課程に進み、ニューメディアに関する知識を深めるつもりだ。卒論のテーマも、この角度からアプローチする準備を進めている。インターンシップを選択する場合も、私は伝統的なメディアに行くつもりはない。複数のインターネット関連企業を探して経験を積み、自分の実力を高めたいと思っている」と王さんは述べた。
英ウォーリック大学大学院修士課程に在学している李さんは、「英国では、大学院修士課程は1年間しかない。留学前にキャリアプランをしっかり立てておかないと、あっという間に卒業を迎え、それから就活を始めた場合、非常に受け身にならざるを得ない。そのため入学前に卒業していたOBやOGと交流した。かれらは皆、キャリアプランをなるべく早く立てて、早めに就職情報の情報収集をスタートするよう助言してくれた」と話した。
北京の海外帰国組を対象とした就職説明会の会場でも、卒業までまだ時間のある大学1~2年生の姿がますます多くみられるようになっている。このような状況も、李さんの判断を違う角度から実証しているといえるだろう。「タイミングがうまく合わない場合は、学生の親が本人に代わって履歴書を送るケースもある。できるだけ早めに就職情報をキャッチするためだ」と李さんは語った。
〇「留学の価値を認める」企業、9割以上
教育部(省)の統計データによると、2018年度と2017年度の統計データを比較すると、海外から帰国した留学生の数は3万8500人(8%)増加している。
新東方前途出国部の李浚副総裁は、「まず、海外の就職市場は、国内より飽和状態が進んでいるため、卒業後ただちに帰国して就職したいという人がますます増えつつある。また一方で留学を希望する学生のうち、国内での就職市場における競争力を高めたいという留学目的を持った人がますます増加している」と指摘した。
英レスター大学に留学中の王彦さんは、「もし、単に新しい知識を学ぶだけが目的ならば、わざわざ留学しなくても実現することができる。留学の最大の意義は、観点の衝突や文化を超えた体験、視野の拡大にある。これらを通して、自分を高めることではじめて、海外帰国組の優位性を発揮できる」との見方を示した。
また白書の統計データによると、企業の89%が、「留学によってもたらされた価値や意義を認める」とした点は注目に値する。このうち、「専門能力」と「革新能力」が、海外帰国組の優位性として企業が最も重視する能力だった。(編集KM)
「人民網日本語版」2019年5月15日