周囲の環境への影響を減らすために採用された「防音ガラス壁」
また北斗衛星とGIS技術に基づいて、京張高速鉄道は広域の「測位」ネットワークを構築しており、建設や運営、人員配置、メンテナンス、緊急状況対応の全プロセスにスマート化サービスを提供することが可能になっている。線路リアルタイム「体験」システムでは、センサーを通じて全線のすべての橋や駅、レールをコンピューターとつなぐことを可能にしている。これにより部品の老朽化や路床の沈下、照明の故障などが一目瞭然となる。
「将来、京張高速鉄道の10駅はすべて一つの『大脳』を持つことになる」と中鉄設計京張高速鉄道スマート工程化設計全体責任者の李紅侠氏は語る。李氏によると、この「大脳」を通じて、スタッフはコントロールルームで駅の照明や温度、湿度といった設備管理や、緊急時の指揮などを実現できるようになるという。
列車の自動運転システムは地下鉄とほぼ同じレベルに達しているが、違うのは速度だ。中鉄設計京張高速鉄道信号設計責任者である王東方氏は、「これは世界初。時速350キロの条件下で最も良い運転士をシミュレーションし、アルゴリズムにより安全かつ省エネで高効率に列車を運行する」と語った。
入場時の顔認証のほか、スマート案内ロボットも設置される京張高速鉄道の駅構内
このほか、電子チケットや駅入場時の顔認証などで乗車までの流れを簡素化できる。また、駅構内と駅の外のナビゲーションシステムを組み合わせ、乗客が乗車する列車の列車番号を入力すれば家を出てから改札口や待合室までのナビゲーションも可能となる。
2018年末、中国の高速鉄道の営業キロはすでに2万9千キロを超え、世界一となった。京張高速鉄道の建設により、中国はさらにスマート高速鉄道技術基準体系を整備し、世界をリードするスマート高速鉄道を応用する国になるとみられている。 (編集AK)
「人民網日本語版」2019年6月13日