錦は着てても心はボロボロ?若者を蝕む「偽装洗練ライフ」

人民網日本語版 2019年06月11日10:30

家電はダイソン以外は使わない。桜は日本でなければ行かない。パンは全粒粉でないものには手を出さない。服はデザイナーズブランドしか着ない……物質的な条件が改善されるのにともなって、人々は洗練された生活をますます熱望するようになっている。しかし現代の若者の一部には自分の状況を省みず、「質の高い生活」という言葉に彩られた後払い消費、高額の消費を追い求めすぎる傾向があり、あらゆる場面に広がる洗練を追求してサイフの残高がマイナスになっている。人民網が伝えた。

▽人前では「いい感じ」、人のいないところでは「すごいことに」

南京出身の青年・徐飛さん(28)は文化メディア業界で働いており、最近、購入から1年にもならない国産車を「バージョンアップ」し、30万元(1元は約15.7円)するアウディを分割払いで購入した。格好の良い見かけの裏側では、クレジットカードに6ケタに達する返済が控えている。頭金は何とか両親から出してもらえたものの、徐さんの7千元足らずの月収では、衣食など必要な費用を除くと、毎月の最低返済額にも届かず、困窮状態に陥っていることは明らかだ。それでも、「自分はなんと言っても文化的人間なので、買い換えないであんなボロ車に乗っていたら、評判が落ちてしまう」という。

王玲さん(30)は江蘇省北部の地方都市出身で、今は蘇州市の対外貿易会社で働いている。月収は6千元近い。品よくみせるため、同僚とよく会社近くの日本料理店で60-70元のビジネスランチを食べ、午後になるとスターバックスのコーヒーを頼んだり、手作りケーキを注文したりする。計算すると、仕事のある日は昼食と午後のお茶だけで100元以上使っている。「家賃は2500元。ほかに日用品、友人とのつきあい、プレゼントなどもあって、収入が支出に追いつかない。その場しのぎの連続で、現在7万元ほど借金がある」という。

それでも王さんは、「あまり気にしていない。カードを使うと、お金がなくなるという感覚をそれほど強く感じない。それにSNSにベストショットを発信できるなら、お金がなくなる痛みは完全に相殺される」と話す。

こうしたケースは身の回りのあちこちで目にすることができる。江蘇省南部の都市で働く女性の周潔さんは、SNSでは白い服がひらひらとして「仙女」のようなイメージだ。アバンギャルドな芝居や野外音楽イベントにもよく顔を出す。周さんの借りている部屋を訪れると、30平方メートルほどの単身者用アパートには、汚れた服や靴がちらかっていた。普段の食事は炭酸飲料とインスタントラーメンだという。

周さんは「洗練された人という『キャラ設定』には、毎月5千元の収入ではどうやっても足りない。人前では『いい感じ』だけれど、人のいないところでは『すごいことに』なっている」と笑う。

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