わずか10ヶ月の準備期間を経て、中日の上場投資信託(ETF)の相互上場が実現した。
上海証券取引所と日本取引所グループ(JPX)は25日、それぞれ中日FETF相互上場式典を行った。当日には、易方達基金、華夏基金、南方基金、華安基金の各社による4本のETFが上海で上場した。
上海での式典では、中国証券監督管理委員会(証監会)の方星海副主席がビデオ中継でメッセージを寄せ、「現在、世界で保護主義が台頭する背景の中、中日という世界で2位と3位のエコノミーの資本市場における互恵協力を強化することには、重要な意義がある。中日ETFの相互上場、また先週月曜日の上海・ロンドン株式相互接続(ストック・コネクト)、先週金曜日のA株の英グローバル指数・FTSEラッセルへの組み入れは、中国資本市場の開放拡大の歩みが停止しないばかりか、緩やかに加速していくことを示す。中日資本市場の協力状況は良好で、今年4月に第1回中日資本市場フォーラムが開催された後、双方は多層的で多様な形式の交流協力を展開してきた。ETF相互上場の実現は始まりに過ぎず、中日資本市場は相互補完性が強く、協力の可能性が大きく、双方の一層の交流の強化、相互信頼の増進、実務協力の新分野の持続的開拓発展が期待できる」と述べた。
昨年8月、上海取引所とJPXは中日ETF相互上場をめぐる話し合いをスタート。今年4月の同フォーラムで、双方はETF相互上場の合意文書に調印した。それから上場が実現した6月25日まで、わずか10ヶ月しかかからなかった。
中国市場学会金融学術委員を務める東北証券研究ディレクターの付立春氏は、「中日ETF相互上場は中国資本市場の国際化と一体のものだ。日本の取引所は世界の主要取引所の1つであり、特にアジアで大きな影響力をもつからだ。中国にとって、相互上場の実現は資本市場の対外開放のさらなる進展を意味し、開放する国が1つ増えただけでなく、ETF相互上場という開放スタイルのイノベーションともいえる。日本にとっても同じことで、双方の協力は互恵だ」と述べた。
資本市場の専門家・董登新氏は、「中日ETF相互上場により日本の公募ファンドの機関投資家と日本の資金を中国A株市場に取り込めるようになる。A株市場にとって、投資家の生態が変化することになる。その反対に、中日ETF相互上場は中国の公募ファンドに海外市場のポートフォリオを提供し、日本市場は中国の公募ファンド商品のターゲット市場に組み込まれる。同時に、中日ETF相互上場は中国の投資家に日本市場へ投資する機会を与える」と述べた。
また董氏は、「日本の株式市場はアジアで非常に重要な市場の1つで、市場規模はトップレベルで成熟し開放されている。これと同時に、評価額が相対的に低く、中国のA株投資家には相当な魅力があるといえる」と述べた。
▽ETFとは何か?
ETFは金融商品取引所で取引されるオープン型の指数に連動する投資信託で、上場投資信託(Exchange Traded Fund)と呼ばれ、取引所に上場して取り引きされ、構成銘柄が変動するオープン型ファンド。ETFはミューチュアル・ファンドと似ており、投資家が株式、債券、金融商品、その他の金融市場の投資に参加しやすいように、バスケットに入った株式、債券、金融商品、その他の資産を組み合わせた分散型のポートフォリオとなっている。(編集KS)
「人民網日本語版」2019年6月26日