米財務省が北京時間の6日、中国を「為替操作国」に認定したことについて、中国は深い遺憾の意を表明した。このレッテルは米財務省自身が制定したいわゆる「為替認定国」の量的標準に合致しておらず、勝手な一国主義的行為であり、保護主義的行為であるとともに、国際ルールを著しく破壊するものであり、グローバル経済・金融に重大な影響を及ぼすことになる。人民日報が伝えた。
中国が実施しているのは市場の需給を基礎とし、バスケット通貨を参考に調節を行うという管理された変動相場制であり、このメカニズムにおいて人民元相場は市場の需給によって決定され、「為替操作」という問題は存在しない。今年の8月以降、人民元相場に一定幅の値下がりが生じたのは、主にグローバル経済情勢の変化と貿易摩擦の激化を背景とした市場の需給と国際為替市場の変動を反映したものであり、市場のパワーによって推進され決定されたことだ。中国人民銀行(中央銀行)はかねてより人民元相場が合理的なバランスの取れた水準で基本的安定を保つよう努力し、この努力は国際社会にも認められている。国際決済銀行(BIS)が発表したデータによると、2005年初めから2019年6月にかけて、人民元の名目実効為替レートは38%値上がりし、実質実効為替レートは47%値上がりし、主要20ヶ国・地域(G20)のエコノミーの中で最も強い勢いを備えた通貨となり、世界規模でも上昇幅の大きい通貨となっている。このほど終了した国際通貨基金(IMF)と中国とのIMF協定第4回についての協議の中で、IMFは人民元相場は基本的側面に大体合致していると指摘した。1997年のアジア通貨危機と2008年の世界金融危機の中で、中国は人民元相場の安定を保つことを一貫して約束し、国際金融市場の安定とグローバル経済の復興を力強く支援した。18年以降、米国は貿易紛争を絶えずエスカレートさせ、中国は競争的な通貨切り下げを行わない方針を一貫して堅持し、中国は為替をツールにして貿易紛争に臨んだことはなく、またこれからもない。
米国が事実を省みず、中国に無理矢理「為替操作国」のレッテルを与えるのは、自他ともに傷つける行為であり、中国はこれに断固反対する。米国の動きは国際金融秩序を著しく破壊し、金融市場に動揺を引き起こすだけでなく、国際貿易とグローバル経済の復興の大きな妨げとなり、最終的に米国自身が苦い結果を味わうことになるだろう。米国の一国主義的行為は世界の為替問題に関する多国間の共通認識を破壊しており、国際金融システムの安全な運営にとって深刻なマイナス影響を生じることにもなる。中国は米国が危機の一歩手前で踏みとどまり、誤った道に踏み込んだことを悟り、理性的で客観的な正確な軌道に戻るよう忠告する。
中国は市場の需給を基礎とし、バスケット通貨を参考にして調節を行う、管理された変動相場制を引き続き堅持していき、人民元相場が合理的でバランスの取れた水準で基本的安定を保つようにしていく。(編集KS)
「人民網日本語版」2019年8月7日