「デジタル人民元」ついに登場? 流通現金に代わるか (2)

人民網日本語版 2019年08月21日15:26

既存の流通現金は匿名での偽造が容易で、銀行カードやネット決済などの電子決済ツールは匿名性の高い決済のニーズを完全に満たすことはできない。よって人民銀のデジタル通貨の設計では流通現金の代替性が主なポイントとなり、現金の属性と主な特徴を備えつつ、持ち歩きやすさや匿名性に対する人々のニーズにも応えることを目指している。

人民銀の研究局・通貨金銀局の王信局長は、「人民銀のデジタル通貨は中国では主として現金にある程度代わるものとなり、人民銀の通貨決済機能を最適化し、人民銀の金融をめぐる地位と金融政策の有効性を向上させる上でプラスになる」との見方を示した。

ここからわかることは、人民銀のデジタル通貨発行は、目下流行する電子ウォレットやオンライン決済ということではなく、通貨システムを完全に仕切り直して既存の人民元システムに取って代わろうということでもなく、流通現金に対して一定の代替性をもった新しい暗号電子通貨システムを構築することが狙いだ。

中国銀聯股フン有限公司(フンはにんべんに分)の邵伏軍会長は、「人民元による法定のデジタル通貨は大きな積極的影響をもたらし、金融の運営コントロールの効率を引き上げ、金融政策の手段をより豊富にすることができる」との見方を示した。

人民銀のデジタル通貨は主に少額が頻繁にやりとりされる小売業務シーンでの利用が想定される。周小川元人民銀総裁は、「デジタル通貨を研究することは、本質的には小売決済システムの利便性、迅速性、低コストを追求することだ」と指摘した。(編集KS)

「人民網日本語版」2019年8月21日

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