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中国独自開発のアルツハイマーの新薬が市販される

人民網日本語版 2019年11月04日14:44
中国独自開発のアルツハイマーの新薬が市販される

上海市人民政府は3日の記者会見で、中国人科学者が独自に開発したアルツハイマー病の新薬「九期一」が、条件付きの販売を許可されたと発表した。国家薬品監督管理局はその前日、同薬の販売申請を条件付きで許可し、同分野の17年にわたる「新薬ゼロ」の空白を補った。中国青年報が伝えた。

中国科学院上海薬物研究所の耿美玉研究員が率いる研究チームは22年間にわたり、中国海洋大学、中国科学院上海薬物研究所、上海緑谷製薬有限公司との連続した取り組みにより、同新薬の独自開発に成功した。アルツハイマー病の患者に新たな治療プランを提供する見通しだ。

耿氏は同日の記者会見で、現在までの3週間にわたる3期臨床研究の結果によると、同薬は軽・中度のアルツハイマー病の患者の認知機能障害を改善できると述べた。同氏によると、同薬は腸内細菌のバランスの再構築により、細菌の特定の代謝物の異常な分泌を抑制し、外周及び中枢の炎症を減らし、アミロイドβタンパク質の蓄積とタウタンパク質の過度なリン酸化を抑制することにより認知機能障害を改善するという。

「条件付きの市販許可」について、耿氏は、「通常であれば新薬はすべての資料が提出された場合にしか関連証書を受け取ることができない。しかし、彼女の研究チームは、新薬の申請で長期的な発がん性の試験に関する正式な報告書をまだ提出していない。薬品監督当局は、アルツハイマー病の患者の需要が非常に大きく、そしてチームの既存の実験結果によると同薬は発がん性との間に関連性を持たないことから、先に市販されることを許可した。ただ、研究チームは今後3カ月内に補足の資料を提出しなければならないことになっている」と説明した。

耿氏によると、研究チームはこれから薬品監督当局の要求に従い、「市販後の研究」と「真の世界研究」を開始する。また国際複数センターの臨床研究プロジェクトを積極的に推進し、一日も早く世界の患者に利益をもたらすという。(編集YF)

「人民網日本語版」2019年11月4日

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