三菱電機株式会社の富澤克行執行董事・中国総代表。(撮影・王曉霞) |
11月5日から10日にかけて上海の国家エキシビションセンター(上海)で開催されている第2回中国国際輸入博覧会(輸入博)。今年も中国におけるビジネスチャンスを手にしようと日本から数多くの企業が出展している。人民網では三菱電機株式会社の富澤克行執行董事・中国総代表に輸入博における昨年の成果から今回PRしている展示品、そして今後の展望などについて取材した。
成果を手にし、さらに継続的な成果を出せる輸入博
三菱電機は昨年スマート製造を中心とした展示を行い、そのしっかりした成果を目指して取り組みを行った結果、長栄股份や特変電工といった中国でも比較的大手の製造業企業との提携協議を結ぶという非常に大きな成果を上げることに成功。富澤中国総代表は、「昨年の輸入博での成果がこの1年でじっくり出てきていると感じている。つまり展示だけで終わらずに継続的にその成果を出せるようになっているというのが、輸入博の非常にありがたい点だと認識している」と評価した。
三菱電機が社会に貢献する4分野に基づいた展示行う今年の輸入博
今年の三菱電機の展示ブースは昨年の扇を手に踊るロボットというような派手さはないものの、「智創・共生、緑色智能新時代を創造」をテーマに、中国市場で展開する4分野のスマート製造、スマート都市、スマートモビリティ、スマート生活でAIや環境関連の最新技術、研究成果及びソリューションを提案した展示を行っている。今年のテーマについて富澤中国総代表は、「中国の社会的な課題を事業としてどうやって解決し、貢献していくかを大事なテーマとして考えて事業展開している。つまり中国に必要とされる企業に自分たちがどうやったらなれるのかということをしっかり考えていかないと、事業はうまくいかないという発想だ」と語る。また聴覚障がい者や外国人と円滑で多様なコミュニケーションを実現できる世界初の話し描きアプリ「しゃべり描き」やドライバーの行動予測、危険予知などで安全・安心な運転を実現するセンシングユニット、快適で上質な空間を実現する智能空調、ビルの設備をスマートに連携し、人に寄り添った心地よい移動を実現するエレベーターなど、智能化・緑色化社会を実現する技術や製品を多数出展している。
三菱電機の取り組みに共鳴できるパートナー探しの場としての輸入博
「中国を公平でより開かれた市場にし、より質の高い発展を目指していくことが、輸入博の非常に重要なテーマだと考えている」とする富澤中国総代表は、「三菱電機だけでいろいろな社会課題を解決するのではなく、中国の企業パートナーと共に、そういった取り組みを進めていきたいと考えている。それをこの輸入博でしっかり紹介できて、それに共鳴できるパートナーとまた新たな交流がスタートできれば非常にありがたい」とした。そして中国の事業や研究所、政府とパートナーシップを結ぶことで、研究技術レベルや実事業レベルといったヒエラルキーに合わせた研究の展開を目指す三菱電機にチャンスの場を与えてくれるのが輸入博であるとの認識から、1年目からさらに進化した形でこの輸入博を活用していくという。
今年、中国は新中国成立70周年を迎え、日本も「令和」という新時代に入り、新たなスタートに立った中日両国。「中国と日本がそれぞれの強みをしっかり横連携させていくことで、ウィンウィンの関係を構築できる。中国市場での展開も重要だが、そこで展開した実績で、共に第三国市場にパートナーとして向かっていく、その元年に今年はなってほしいし、我々はしていきたいと考えている」という富澤中国総代表の言葉からも、日本企業の中国の発展に対する確信と、そんな中国と歩みを共にしていこうという意気込みが感じられた。(文・玄番登史江)
「人民網日本語版」2019年11月9日