中国科学院国家宇宙科学センターは25日、中国初の宇宙重力波探査技術実験衛星「太極1号」の各種機能・性能・指標が開発の全体条件を満たし、軌道上の実証実験に成功したと発表した。新華社が伝えた。
同センターが同日開いた「太極1号」軌道上実証実験総括審査会において、天文や重力波研究、宇宙プロジェクト分野の専門家でつくる審査チームは、上述した結論を導き出した。
「太極1号」は中国科学院宇宙科学(2期)戦略的先導科学技術特定プロジェクトの1基目の衛星だ。同衛星は中国宇宙重力波探査に必要なペイロードと衛星主要キーテクノロジーの初となる軌道上検証を行う。これには高安定性レーザー、超高精度干渉計、高感度重力参考センサー、無曳航制御技術、mN級微推進技術、超安定・超静音宇宙船などが含まれる。
「太極1号」衛星プロジェクト首席科学者の呉岳良氏によると、「太極1号」が今年8月31日に打ち上げられた後、科学チームとプロジェクトチームが協力し、4カ月にわたり厳しい実証実験を行った。その結果、衛星システムは軌道上での作業性能が良好で、開発の全体要求が規定するすべての実験内容を行った。
呉氏は「太極1号の軌道上での実証実験の順調な成功は、中国の重力波探査における実験技術検証の重要な進展だ。これは太極計画の『3ステップ』の1歩目の目標達成を意味する。太極1号は拡張実験段階に入る」と述べた。
中国科学院は2008年から中国の宇宙重力波探査の実行可能性の論証を開始した。長年にわたる先端的研究により、中国の宇宙重力波探査計画「太極計画」を打ち出し、「衛星1基」、「衛星2基」、「衛星3基」という「3ステップ」の発展戦略とロードマップを決定した。(編集YF)
「人民網日本語版」2019年12月26日