日本の「鄙びた田舎」青森・秋田を訪ねて (2)

人民網日本語版 2020年01月08日10:42

午後に帰路に就き、芦野公園駅で電車を待っていると、小さな男の子が3人通り過ぎた。彼らは次々と私に向かって「こんにちは」と大きな声であいさつし、私も笑顔で「こんにちは」と一人一人にあいさつを返した。もう少し何か話したかったけれど、短いあいさつの言葉しか話せないのが残念だった。東京でもよく学校帰りの子どもに会うが、こんな風に自分からあいさつされたことはない。

こんなあいさつはここでは珍しいことではないらしい。2日後に秋田県の千秋公園をジョギングしていると、野球少年の一団に出くわした。彼らは坂道を駆け上がる練習でへとへとなのに、行き交う人すべてに大きな声で「すみません」と謝っていた。道幅は広く、彼らがどんな風に走っても邪魔にはならないというのに、それでも一人一人にきちんと謝っていた。これはきっとコーチの指導によるものなのだろう。コーチも側にいて、大きな声で道行く人々にお詫びをしていたからだ。

中国語サイトの説明では、このあたりは「人口45万人の秋田都市圏」となっている。45万人は、中国なら最も小さい県の行政中心地ほどの数だが、日本の北部ではこれでも人口集中地になる。秋田には工業らしい工業もなく、農業と酒造業が中心で、人口減少ペースは日本国内でトップクラスだという。

この野球少年たちも、将来は「人口減少」する地域の一部になることが運命づけられている。昨年、秋田県立金足農業高等学校の野球部が甲子園の決勝に進み、優勝は逸したが、秋田の少年の心を大いにかき立てた。少年たちも上の世代と同じように、都会の広い世界にあこがれているかもしれない。(編集KS)

「人民網日本語版」2020年1月8日

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